中国・杭州で「ロボット都市連盟」発足...上海や重慶から10地域が加盟

ロボティア編集部2018年1月17日(水曜日)

中国・全国各地のロボットタウン(ロボット産業推進都市)を結ぶ連合体が杭州で結成された。今回、第3回中国杭州グローバルロボット西湖フォーラムの舞台となった杭州・萧山ロボットタウンに、上海、重慶、河南、安徽、浙江など10地域のロボットタウン、浙江大学ロボット研究センターが集まり、「中国ロボットタウン発展連盟」が設立されることになった。なおロボットタウンは産業団地を意。連盟本部は萧山に拠点を構える。

中国ロボットタウン発展連盟が萧山に拠点を構えることになった背景には、同エリアが関連業界で非常に重要な地位を占めているという理由がある。浙江省のロボットアプリケーションは中国内の地域ランキングで首位を走っている。加えて、2016年の時点までに浙江省で稼動する産業用ロボットは4.2万台に達しており、中国全土の12%を占めていた。こちらも中国国内では1位となる数字だ。

そして杭州・萧山は浙江省のなかでも、ロボットアプリケーションの中心エリアである。萧山は1000億元(約1兆7114億円)の生産額を誇る設備製造業をベースに、システム、完成品および部品などの産業チェーンを備えている。つまり、ロボット産業発展のための、生態系を備えた地域となる。

萧山のロボットメーカーは30社を超え、産業規模は30億元(約513億4200万円)にのぼる。昨年以来、萧山では2000万元(約3億4000万円)以上の「人力ロボット代替プロジェクト」が169個推進されており、そのために43.57億元(約745億7000万円)が投入された。IoTを導入した工場も53か所あり、萧山の製造業の発展速度は非常に速いとされている。

とはいえ、中国の製造業において使われているロボットの数は、先進国と比較するとまだ少ない。1万人当たりの産業用ロボットの数(=ロボット密度)は、2015年の段階で49台にとどまっており、これは世界平均69台より低いレベルである。これは、まだまだ中国のロボット市場の見通しが明るいことを意味する。

萧山はスマート製造の発展のための政策的支援などを通じて、萧山経済技術開発区などの地域をプラットフォームにし、ロボットタウン同士の媒介の役割を果たしていく計画だ。言い換えれば、ユニコーン企業を育成しつつ、産業用ロボットや核心部品などの発展のための中心地の役割を担っていくというものである。加えてロボットだけでなく、ロボットシステム、自動化生産ラインなど多様な領域で発展を図っていこうとしている。