セールスフォース・ドットコムが新しい自然言語処理モデル「decaNLP」公開

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米国のセールスフォース・ドットコム(Salesforce.com)の研究開発部門セールスフォース・リサーチが一度に10件のタスクを実行可能な自然言語処理モデル「Natural Language Decathlon (decaNLP)」を公開した。

既存のディープラーニング技術は翻訳をはじめ、数多くの自然言語処理タスクに革命をもたらしてきた。しかしながら、一般的なNLPモデルということになると、単一メトリックやデータセット、タスクの特殊性に焦点を置いた枠組み内での構築を想定していない。そこで開発されたのが「decaNLP」である。

AIと自然言語処理技術とのコラボレーションにより、AIの可能性が拡がりつつある。ところが、言語理解プロセスは複雑化しており、既存のディープラーニング技術で一筋縄にはいかない。言語理解の問題に取り組むうえで視覚的、感情的および論理的観点からの知能の追究が不可避であるからだ。

「単語やフレーズをはじめ、文法、コンテクスト、声の調子、感情、ユーモア、文化的リファレンスの曖昧性の問題がある。我々人間の言語習得メカニズムを考慮しても、言葉をマスターすることは難しい。そのことを鑑みれば、単一の統合モデル上で全てを理解するようコンピュータに教え込むのが至難の業であることはおおよそ理解できるだろう」(同社研究開発チームリーダー リチャード・ソチャー氏)

新モデルでは一度に10件の自然言語処理タスク(質問への応答、翻訳、要約、自然言語推論、感情解析、意味役割付与、ゼロショット関係抽出、目的指向型対話、意味的構文解析、代名詞照応)を実行可能。また、自然言語処理上のトラブルへの対応のために、個々のモデルを構築したり、あるいは訓練したりする手間を省けるようになっている。

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大澤法子

記者:大澤法子


翻訳者・ライター。1983年、愛媛県生まれ。文学修士(言語学)。関心分野は認知言語学、言語処理。医療・介護分野におけるコミュニケーションに疑問を抱いており、ヘルスケアメディアを中心に活動中。人間同士のミスコミュニケーションに対するソリューションの担い手として、ロボット・VRなどがどのような役割を果たし得るかを中心に追及。

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