フランスで割礼を受けた女性約12万人 被害女性をケアする動き広がる

ロボティア編集部
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Photo by Matthieu Joannon on Unsplash

フランスには、地理的に近いアルジェリアやモロッコからの移民が特に多い。現在、フランスに住んでいるアルジェリア系移民の数は約170万人と推定されている。また、フランスはヨーロッパでイスラム移民が最も多い国でもある。米世論調査機関・ピューリサーチセンター(Pew Research Center)によれば、2016年の時点でフランスのイスラム人口は572万人とされている。

そのように、アフリカやイスラム圏の移民が多いため、フランスではその文化的背景や旧い慣習による被害などに関連する報道が多い。一例としてル・モンド紙は最近、フランスにおける女性の割礼被害の実態、そしてそれを解決しようとする保護団体の動きを紹介している。

週刊疫学会会報(Bulletin épidémiologique hebdomadaire)に発表された推定値によれば、フランスに住んでいる12万3355人の成人女性が割礼を受けていたことが明らかにされている。同調査には、フランスで生まれた移民2世も含まれている。過去15年間、割礼の習慣はほとんど消えたのにも関わらず、割礼を受けた成人女性数は10年で2倍になった。

研究者たちは同数値について、割礼が蔓延している地域から新たに移民した女性、また過去の研究には含まれていなかった未成年者が成年になったことに起因すると分析している。

フランスには割礼の被害女性のための団体が15団体ほどあるという。最近では、パリ20区の中心部にあるDiaconesses Croix Saint-Simon病院グループの新しい団体が割礼被害女性を支援するためにオープンした。同団体は、ふたりの助産婦と心理学者、また性医学者と外科医、産婦人科医それぞれひとりで構成されたチームで運営されている。同チームの産婦人科医であるCyril Raifort博士は、女性の割礼被害者の「女性のアイデンティティを取り戻そう」という動きを助け初めて8年目となる。

ちなみに、女性割礼の復元技術は泌尿器科医であるPierreFoldès氏が1980年に開発。アフリカの人権使節団時代に被害女性たちに手術を行ったりもしている。

Raifort博士は「約10年前までは外科手術だけが解決策と言われていたが、今では全くそうではない」と強調する。患者は、それぞれ独自の方法で割礼を経験するので、治療も個別にカスタマイズされる必要がある。一部の女性たちは自分の性生活を改善したいと言い、また一部の女性たちは自分の“女性性”を失ってしまったと悩み、支援を受けるために専門家の元を訪れるという。