ドイツに忍び寄る”働き手不足”...外国人材の誘致を模索する首都ベルリン

ロボティア編集部
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Photo by Bogdan Cadar on Unsplash

今年9月、ベルリンで市が主催するキャリアフェア「JOBAKTIV Berlin2019」が開催された。興味深いのは、フェアを訪れた人々の半分以上が移民であると推定されていること。実際に各コーナーでは、移民が自国で得た学位と資格などについて、どのようにすればドイツでも認められることができるか旺盛に相談が行われていたという。

キャリアフェアに出展した企業は、大きく6つの領域に分かれていた。公共機関、サービス業、熟練職種、商業、医療機関、観光業などだ。これはベルリンだけでなく、ドイツ全体で人材誘致が必要な分野だとされている。

さまざまな国から来た移民とその家族が住んでいるにもかかわらず、ドイツを「移民社会」と呼ぶことについては賛否が分かれている。米国やカナダのような典型的な移民社会と比較した場合、全人口に占める移民の割合が高くないからだ。2018年の統計によると、ドイツに居住している外国人は総人口の12%程度だとされている。

東西統一以前、西ドイツは1955年からイタリア、スペイン、ギリシャ、トルコ、ユーゴスラビアなどから多くの外国人労働者を受け入れてきた。1990年に統一した後は、国内の失業率を減らすためにさまざまな政策を展開した。努力の成果か、2007〜2008年のリーマンショックに端を発する世界金融危機の時期を除いて、2005年から着実に失業率が減少。 2005年に500万人近かった失業者数は、2019年5月に220万人、失業率4.9%となった。これは1990年の統一以降、雇用統計を取り始めてから最も低い数字となった。

それらの低失業率とほぼ完璧に近い雇用状況を指して、ドイツでは「ジョブブーム」(Job-Boom)という言葉も登場している。一方で、1957年から1965年の間に生まれたベビーブーム世代が引退すると、逆に働き手不足が起きる可能性が高いとの予測が趨勢となっている。例えばドイツ労働市場・職業研究所(IAB)は、2030年までに300万人の働き手不足が生じると見通している。

実際、ドイツの雇用主は人材確保に困難を感じているという。働き手不足のために廃業を迫られる企業も少なくない。働き手が足りないとされている分野は主に、教育、ヘルスケア、IT、エンジニア、運転などの分野だ。これまで働き手が不足した職場は、ポーランド、ルーマニア、クロアチア、ロシア、ウクライナなど東欧出身の移民が満たしてきた。しかし最近では、東ヨーロッパから仕事を探してやってくる若者の数も減っている。そのため、非欧州諸国からの受け入れも増えていくのではないかと予想される。