【移民とビジネス】フォーエバー21の成功と転落...「アメリカンドリーム」の始まりと終わり

ロボティア編集部
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Photo by forbes

米国メディアはさらに、フォーエバー21の破産理由に「過度な店舗拡張」があったと指摘している。実際、リンダ副会長はメディア取材に答え、6年にもならない間に7カ国から47カ国にまで店舗が広がり、多くの問題が生じたと率直に述べている。アマゾンなどのECの活性化に起因するオフライン店舗の売上減少も危機を早めた。

フォーエバー21は、商標権侵害で50回以上告訴をされたという負の歴史も持つ。最近では、米国の有名歌手アリアナ・グランデから、MVやアルバムのカバーを無断で盗用したとして1000万ドルの損害賠償請求訴訟を起こされていた。

フォーエバー21は破産申請とともに、カナダ、日本を含めた40カ国で事業を閉鎖する予定。米国内で178店舗、全世界では約350の店舗が閉鎖される。ただ、売り場のオーナーが直接運営する米国内の数百店舗、メキシコをはじめとする中南米店舗、ウェブサイト運営は継続する。なお、ブルームバーグが入手した破産申請書によれば、フォーエバー21の負債(子会社含む)は、10億〜100億ドルと推定されている。

移民という境遇や苦労の中から時代や社会の流れを読み、世界的な成功を手にしたフォーエバー21は、そのポジティブさや想像力を下請け業者や一緒に働くスタッフにまで広げることができず、エコシステムを築けないまま、ひとりよがりの拡大を続け、最終的には転落してしまった。

なお、ふたりが米国に移民したのは21歳の時。米国に移民したその頃のマインドで、人生を生きていくという意味から、「フォーエバー21」というブランド名が生まれた。移民してからおよそ35年の間に、彼らが手に入れ、失ったものは何なのか。店舗や資産を失ったというのはもちろんだが、彼らを支えてきたモチベーションや考え方、そしてマインドセットはどう変化したのか。

21歳の頃に戻っただけ――。チャン夫妻は、そうポジティブに思っているのだろうか。それとも、どこかで自分たちの破滅を招いたターニングポイントを思い返し、悔いているのだろうか。もしどこかで話を聞く機会があれば、本当のところを聞いてみたいものだ。