トランプ氏「iPhoneを米国で」、ロボット革新とリショアリング

ロボティア編集部
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リショアリングイニシアティブ

 非営利企業リショアリング・イニシアティブは、米国を離れた企業が本土に工場を再建したり移転するリショアリングと、海外企業の米国投資により、2014年の1年間で合計6万を超える雇用が新たに生じたと推定している。

 昨年8月に米フォードは、メキシコにあったF-650、F-750トラックの生産工場を、オハイオ州とミシガン州に移すことにした。また、重機企業キャタピラとコングロマリット企業GEは、それぞれ1900人の雇用を米国内で創出した。一方、前述した約6万の新たな雇用のうち、約8000は中国企業の米国投資で創出されたものである。

 リショアリング・イニシアティブはまた、中国資本が生み出した米国内の雇用が昨年末までに計10万を超えたと予想している。

 米国企業のリショアリングと中国企業の米国内での生産拠点の構築を促しているのは、前述の通り生産コスト差の減少だ。

 フィナンシャルタイムズ(FT)は19日、スイスの投資銀行UBSレポートを引用。「新興市場の低賃金非熟練労働者をロボットなどに置き換えることができようになり、国外に出て行った資本が米国に戻るきっかけになった(中略)新興国の製造業は打撃を受け、米国の製造業のハブとしての競争力はさらに強化されるだろう」と報じた。

リショアリング
photo by industryweek.com

 米ボストンコンサルティンググループ(BCG)が最近発表した報告書によると、米国内で生産される製品の製造原価を100としたとき、中国のそれは96まで上昇している。ロボットを用いた生産革新と中国の経済成長に伴う人件費の上昇、原油価格低下による電気料金の引き下げなど、複数の要因が複合的に作用した結果だ。

 そのような生産コストの格差の減少を考慮したとき、トランプ氏が言う「中国アップル工場の米国移転」は決して不合理な主張ではないと言える。ちなみに、アップルの最高経営責任者ティム・クック氏は、2012年に米国内の生産設備に1億ドルを投資するなど、生産拠点を米国に戻す試みをしたが、生産コストや人材不足などを理由に計画を保留したことがある。