アンドリュー・マカフィー「ロボットと組める人間が世界を支配」

ロボティア編集部
ロボティア編集部

配膳ロボット
photo by businessinsider.com

 マカフィー氏は、さまざまな報告書によって指摘されはじめたホワイトカラー職の喪失についても言及している。

「2006年に一般公開されたホンダのヒューマノイドロボット・アシモ(ASIMO)を覚えていますか?アシモはデモンストレーションの際、ステージに設置された階段を歩いて登ぼろうとしましたが、転げ落ち、床に顔を打ちました。もちろん、再び立ち上がって階段を上下したり、ダンスを踊ったり、サッカーボールを蹴るなど、さまざまな能力を披露しました。が、ロボットには大きな欠陥があるのが明らかになった。けがの危険に直面したとき、頭のような重要な部位を本能的に包み込むなど、人間が当たり前に取れる行動をロボットは行うことができないのです。つまり、人間にとってあまりにも自然な行為が、ロボットには大変難しいということです。ロボット工学者ハンス・モラベック(Hans Moravec)は『知能検査やチェスで大人以上の性能を発揮するコンピュータを作ることは比較的簡単だが、知覚や移動能力の面で1歳の赤ちゃんの能力を備えたコンピュータを作ることは困難または不可能である』と言ったことがあります。これは、『モラベックのパラドックス』と呼ばれています。人工知能・ロボット工学の研究者たちによると、高等な推論は演算能力がほとんど必要ないのに対し、低レベルな感覚運動機能は膨大な演算資源が必要とのこと。 35年間にわたる人工知能研究が残した重要な教訓は、“(人間が)困難な問題は簡単、簡単な問題は困難”というものです。すなわち、これから人工知能ロボットが進化したとして、アナリスト、エンジニア、会計士、医師、運転者などの管理職や専門知識が必要な職業は、機械に置き換えられる可能性が大きい。現在の技術をもってすれば、彼らの仕事はコンピュータやソフトウェアに置き換えることは難しくないからです。しかし配管工、庭師、案内員、シェフ、メイド、看護師などの職種は、今後数十年間は職場を守ることができると思います」

 なお、マカフィー氏らが書いた「ザ・セカンド・マシン・エイジ」には、機械化や自動化が起こしてきた、またこれから起こすであろう社会の変化が詳細に綴られている。例えば、米大企業の業績が好調なのに、格差が広がっている現実などを分析した項目は、現在の日本の現状と照らしても非常に説得力がある。

 これから先、機械化が加速する現代社会において、重要な文化人のひとりになることはまず間違いないはずだ。

(ロボティア編集部)