【ロボティア編集後記】AI、ロボット、自動化そして格差

ロボティア編集部
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自動化と格差1
photo by thegrio.com

仕事や人間関係、もしくは政治や経済などなんでもよいのですが、例えばそこに何か大きな問題があったとして、その問題を形作る原因がひとつではないというのは、世の常だと思います。

 一方で、特定の原因が、問題の決定的な要因となっている場合も少なくありません。後者の場合、その”決定的な何か”を見落とすと、問題がいつまでたっても解決せず、悪いことが次々と起こるという負のスパイラルに陥るケースがあります。

 例えば、特定の国内部における、経済格差の問題もそのうちのひとつだと思います。経済格差自体の良し悪しは別にして、なぜそれが起こるのかということについては、いろいろな議論の応酬があります。

 ここ数年日本では、安倍政権と格差の関係がしきりに取り上げられてきました。なかには、アベノミクスに対して「一部の裕福層のための経済政策」や「格差を拡大する」などといった批判があります。ニュースなどを見ていると「企業の業績はよくなったのに、給料が上がったと実感できない」みたいなコメントをよく耳にするようになりました。最近ではアベノミクスの調子が悪いせいか、「格差だけが拡大していく」という声も聞こえてきています。

 ただ、格差の問題すべてを政権の再分配や福祉削減の問題として捉えてしまうと、的を外れる、すなわち批判が批判にならないような気がしてなりません。

 格差について、僕が個人的に注目している切り口があります。それは、自動化による経済格差の拡大です。米ライス大学のコンピュータ科学者モシェ・バルディ(Moshe Vardi)教授に関連した記事の中には、次のような指摘があります。