alphaGoを目撃した韓国で人工知能を巡る宗教的論争が活発化

ロボティア編集部
ロボティア編集部

テクノロジーと宗教
photo by demadridacracovia

 alphaGo(アルファゴ)と囲碁現役世界王者イ・セドル9段が対決した韓国で、人工知能に関する議論が多くの分野に飛び火している。最近、特に目立つのは神学および宗教関係者からの提言だ。ちなみに韓国は宗教大国でクリスチャンや仏教徒が多い。信仰を持つ人の数は、実に国民の半分以上を占めるとも言われている。

 4月5日には、キリスト教系の大学である長老会神学大学の「キリスト教思想と文化研究院」と「協会と社会研究部」が公開神学講座を開催。その講座の席に登壇した延世大学キム・ドンファン教授は、AIの発展は偶像崇拝をはじめとする“人間の神に対する挑戦”になりうると警告。神学的言説が形成されなければならないとした。

キム・ドンファン教授
延世大学キム・ドンファン教授 photo by newspower

 キム教授は、AIについて語る前に、20世紀から爆発的に進みはじめたテクノロジーの発展過程をまずおさえる必要があると指摘。20世紀のテクノロジーは、NBC(核核生物、化学工学)という3つのテクノロジーに代表され、21世紀には遺伝学、ナノテクノロジー、ロボット工学を意味するGNRに発展するとした。そして、21世紀=GNR時代の先端テクノロジーの総体であり最終的な目標が、AIとそれに関わるプロジェクトだとキム教授は指摘する。

「神が人間を創造したように、神の被造物である人間も自分に似た存在を作ろうとしている。そのような欲求がAIプロジェクトに現れている」(キム教授)

 キム教授は、遺伝子操作やクローン複製技術など既存のテクノロジーと、AIプロジェクトは根本的に様相が異なると指摘する。というのも、前者の場合、人間が被造物である自分たち自身の一部を使用・改変するという発想だが、AIプロジェクトは人間が自分に似た存在を再創造しようというものだからだ。加えてキム教授は、アルファゴとイ・セドル九段の対決にも言及。AIプロジェクトが「人間を越える」という最終段階に達しつつあるとした。