マレーシアが韓国のロボット産業をベンチマーキング

ロボティア編集部2015年8月30日(日曜日)

韓国とマレーシアがロボット産業で協力することになった。

マレーシア科学技術を総括する総理室所属長官が、去る27日に韓国ロボット産業振興院(KIRIA)のチョン・ギョンウォン院長と会談。ロボット分野の協力方案について議論した。28日には、浦項にある韓国ロボット融合研究院(KIRO)を訪問。ロボット関連施設を見学し、研究開発推進の成果について紹介を受けた。

今回訪問したのは、マレーシア総理室長官であるマーシー・キョン氏とマレーシア高等技術革新庁長官であるダトク・モ・ユソプ・スルラマン氏など6人だ。マレーシア総理室は、マレーシア・イノベーション庁と原子力機構、ヒンドゥー―中国貿易人福祉機構など、国家の重要機関を担当している。一方、マレーシア総理室所属の高等技術革新庁は、科学技術分野のシンクタンクの役割を担っている非営利団体である。

彼らは27日、KIRIAのチョン・ギョンウォン院長とソウルで会談し、ロボット分野で幅広い協力を進めるために議論を交わした。きたる11月末に韓国で開催されるASEAN首脳会談の際に覚書(MOU)を交換するための事前準備として、意向書(LOI)も交換した。チョン・ギョンウォン院長は「マレーシア政府が韓国政府のロボット政策に深い関心を持っている」とし「今年末までに、両国のロボット産業の発展のための具体的な協力案を打ち出す計画だ」と語った。

KIRIAはこれとは別に、マレーシア教育省および国家標準院(国家規格協会)とともに、今年中にマレーシアのベントン地域にあるマラ専門大学に、韓国-マレーシアロボット教育センターを設立する計画である。また今後、両国が共同で参加する韓国―マレーシアロボット技術センターをマレーシア現地に設立することにした。

マレーシアが韓国のロボット産業に深い関心を持つ理由は、マレーシア移民労働者が引き起こす労働問題と関連している。マレーシアは全労働人口の30%以上が、周辺国であるインドネシア・パキスタン・インド出身の外国人であり、同労働力をロボット化-自動化し代替する布石ではないかという分析が出ている。

マレーシア長官たちは今回の訪問で、浦項KIROを訪問。ロボット体験館やロボットミュージアムライフなど主要施設を見学した。また、水中建設ロボットや国民安全ロボットなど、KIROが推進している様々なR&D事業に深い関心を示した。KIROのパク・チョルヒュ氏は「今回の訪問をきっかけに、ロボットインフラが整った韓国をマレーシアがベンチマーキングし、相互に協力するための良い機会になるだろう」と述べた。