嫉妬・怨嗟か!?ケニアでウーバー(UBER)運転手の被害相次ぐ

ロボティア編集部2016年6月20日(月曜日)

 従来のタクシーサービスと比較して、高い価格競争力を誇る車両共有サービス・ウーバー(Uber)。アフリカ・ケニアでは、そのウーバーに顧客を奪われたとする既存のタクシー業界運転手たちが不満を募らせるなか、ウーバーを利用して集客する運転手たちに対する犯罪が相次ぎ、社会問題化しはじめている。

 ケニア・ナイロビ警察によると、3月23日、同地域のタクシドライバー5人が、ウーバー運転手を市内の人影が少ない路地に呼び出し暴行しようとした。危険を感じたウーバー運転手は現場から逃走。被疑者たちはウーバー運転手の車に火をつけ、現場から姿をくらました。

「ウーバーの運転手は、暗い路地で正体不明の男性たちが自分の車に近づいてくるのを見て夢中で逃げだした(中略)彼の車は(放火され)回復不能な状態に陥った」(ナイロビ警察署長ジャペス・クーム=Japheth Koome氏)

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Photo by COURTESY

 ケニアで、ウーバー運転手に対する犯行が行われたのは今回が初めてではない。2月末にも、ナイロビでウーバー車両が放火される事件が発生している。犯罪急増の背景に、既存のタクシー業界の不満があり、これに便乗した人々を巻き込み犯罪が拡大していると推測されている。ケニアのタクシー業界は、ウーバーの安いサービスと競合することができないとし、これを規制することを政府に求めてきた。

 ウーバーに対する、世界各地のタクシー業界の批判は募る一方だ。去る22日、インドネシアのジャカルタ市内では、タクシー運転手が市内の道路を防ぎ、ウーバーやグラッブ(GRAB)など、スマートフォンアプリ用タクシーサービスに対して反対デモを行っている。そのほかにも、イギリス、フランス、ハンガリー、ブラジルなどでウーバー反対デモが行われた。

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photo by africanantitrust.com

 ウーバーの名が有名になるにつれ、関連犯罪も増加傾向にある。米国ではウーバー車両を騙り乗客を誘い込み、詐欺や強盗を行う手口が新種の犯罪として確認・注意喚起されている。一方、ウーバーの活性化で、タクシー絡みの犯罪が減っているという統計もある。テクノロジーと犯罪の関連性に詳しい関係者は指摘する。

「それまでタクシーが近づかなかったような地域、人通りが少ない場所にウーバー車両が行き来しはじめたことで、犯罪が目撃される可能性が高まり、自然と犯罪率が下がりはじめているという統計もある」

 また、価格が廉価になることで、それまで徒歩やバス、地下鉄などを利用していた乗客が、タクシーを利用する機会が増えたという統計もある。つまり、タクシー利用のすそ野が広がり、新たな需要が生まれはじめているという分析だ。

 プラットフォームビジネスが業界の賃金やコンテンツの価格を低下させ、ユーザーの利便性を高めると同時に、粗悪品(ウーバーの場合は犯罪や質の低いサービス)を生みだすという現象は、これまでも頻繁に起きてきた。ウーバーの場合、多くの国で従事者が多く、生活の糧を稼ぐ重要な職業であるタクシーという分野で影響力を増しているだけに、その軋轢はしばらく続くものと予想される。