ロウソクアプリにARデモ参加…朴槿恵退陣デモがハイテク化していた

ロボティア編集部2016年12月13日(火曜日)

 韓国では1ヶ月以上にもわたり、朴槿恵大統領の退陣を求める大規模な国民集会が開かれている。12月4日のデモにはソウル市だけで170万人、全国併せて230万人がデモに参加したと報じられた。このキャンドルデモは13歳の少年から100歳を超える老人まで、拡大の一途を辿っている。

 先月にはこの大規模なキャンドルデモを受けて、与党セヌリ党議員の発言が波紋を呼んだ。それは、「ロウソクの火は風が吹けば消える」と発言したもの。これに対し市民たちは、火が消えない「LEDろうそく」や、スマートフォンで「ろうそくアプリ」などを利用し、デモを始めた。「ろうそくアプリ」では燃え上がるキャンドルの形が明るく周辺を照らしたり、風で揺れる動きがリアルに再現されている。

 ちょうど先月26日に開かれた5次国民集会では、雪や雨が降り、普段の集会の時より気象条件が劣悪だったため、実際のロウソクよりもろうそくアプリが役に立っていたようだ。このようなアプリをはじめ、拡張現実(AR)によるデモの参加など、現代的に多様化するデモの様子が注目を浴びている。

 スタートアップ企業であるブレックス・ラボ(Vrex Lab)が公式発売したラッシュ(Rush)は利用者が希望する空間に自分だけのメッセージを残せるように開発された位置基盤フォトアプリだ。実際の風景にスマートフォン上で作成した仮想イメージを合成し、拡張現実(AR)技術を応用しながら、特定の場所でそれぞれのメッセージを共有できるようにした。まるで空に仮想のポストイットをつけるようなイメージだ。

 使用方法はいたって簡単。スマートフォンの位置情報システム(GPS)を起動してアプリを作動すると、カメラと共に正確な現在位置が表示される。そこで写真を撮り、最大50字のメッセージを作成。写真、位置、メッセージなどを一つのイメージでマッピングする。様々なメッセージを作るために無料顔文字も提供されている。

 ユーザーはこのように作られた情報をアプリの他ユーザーと共有したり、自分が選択した特定の知人にだけ公開することもできる。 ほかのユーザーがその場所でアプリを開けば公開設定されたメッセージが次々と現れる仕組みだ。

 実際に、集会に参加した市民は光化門(クァンファムン)広場の写真と位置情報、自分が叫びたいメッセージを広場の虚空に撮影し、 拡張現実の中でプラカードや旗を掲げた。

 もちろん、このほかにも様々な使い方が可能だ。 恋人や家族同士であらかじめ設定した人だけが見られるように秘密メッセージを隠すことができる。例えば、思い出深い場所などで感動的な演出も出来れば、友達同士で特定空間のメッセージを誰が初めに探せるのか、ゲーム感覚で競争することもできる。

 このアプリを披露したブレックス・ラボ側は「周りの人たちと楽しく共感を生み出せるアプリ」とし、「世界の人々が随所にストーリーを残すARプラットフォームに発展させる」と話している。

 また、集会では大勢の人により、通信環境の悪化も懸念されている。通信会社は一帯にネットワーク装備を増設しているが、あまりにも多くの人が集まるので、通信網の過負荷で一時的な通信障害が起こることも多々ある。こちらでもユニークな技術で問題を解決する「ファイアーチャット(FireChat)」というアプリが人気を集めている。

「ファイアーチャット」は、アメリカのカリフォルニア州に会社がある「オープンガーデン」が開発したもので、インターネット接続なしでもメッセージを送受信できる無料メッセンジャーアプリだ。 携帯電話機器を相互に連結してくれるブルートゥース(Bluetooth)技術を基盤に、オフラインでも写真とメール送信が可能である。 利用者がメッセージを送ると、半径61m内にある他の利用者の携帯電話がblootuthでこれを受信し、再び周辺にメッセージを伝送する。

 このようにスマホ同士が自動的にクモの巣の様に繋がっていき、不特定多数の人と情報が共有できるというわけだ。このアプリは2014年に香港で起きた民主化デモの際にも話題になった。

Photo by egg (Hong, Yun Seon)