冷凍銃にワシまで…「アンチドローンシステム」技術と課題まとめ

 ただパッシブ装置にも欠点がある。それは、検出距離が短く、対応時間を十分に稼ぐことができないということだ。現在、無線周波数検出装置の最大の識別距離半径1㎞ほど。映像・音響複合センサーで検出する場合には、検出距離が200m前後に急激に減少する。飛来するドローンからすると200〜1000mもかなり遠距離ではあるものの、テロの防御する必要がある施設からすれば、より遠距離で検出し、早期に警報を鳴らす必要がある。

 このように、アクティブ方式やパッシブ方式のいずれか単独では、完璧なドローン検出が事実上不可能である。もっとも効率的なのは、この2つを組み合わせた総合的なソリューションである。遠距離検出にはレーダーソリューションを使用し、レーダー装置の死角地帯は、無線周波数検出および映像・音響探知などで補完するというものである。

 数キロにわたる遠距離検出および早期警報を必要とせず、ドローンの侵入さえ分かれば充分な施設(刑務所、データセンター、研究開発施設)では、パッシブ方式のみでの検出でも事足りるだろう。レーダー装置は、価格が数億円かかると言われており、一般施設で使用するためにはコスト的に使用が容易ではない。

■アクティブ方式(主要技術:レーダー探知、映像識別)
IAI、RADA(イスラエル)
Blighter Systems(英国)
Airbus Defense(フランス)
Lockheed Martin(米国)
Robin Radar Systems(オランダ)

■パッシブ方式(無線周波数探知、映像/音声探知)
Dedrone(ドイツ)
Droneshield(米国)

河鐘基

記者:河鐘基


1983年、北海道生まれ。株式会社ロボティア代表。テクノロジーメディア「ロボティア」編集長・運営責任者。著書に『ドローンの衝撃』『AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則』(扶桑社)など。自社でアジア地域を中心とした海外テック動向の調査やメディア運営、コンテンツ制作全般を請け負うかたわら、『Forbes JAPAN』 『週刊SPA!』など各種メディアにテクノロジーから社会・政治問題まで幅広く寄稿している。