「ロボット産業を日本から取り戻せ」...米業界重鎮がトランプ政権に進言

 なお、コンサルティング企業・デロイトによると、2025年までに製造業で350万人が補充されなければならないが、200万人分の雇用が“空席”として残る可能性があるとしている。米国では近年、STEM教育に対する関心が高まっているが、人材育成のための実習プログラム(apprenticeship programs)が、2003年から2013年にかけて40%減少している。これは産業競争力を誇るドイツとは対照的だ。

 ドイツの場合、高校卒業者の約半数が大学進学ではなく、徒弟教育を選択する。米国の若者たちの実習教育の割合は5%に満たない。 バーンスタイン会長は、トランプ政権が徒弟教育への投資、効果的なトレーニングコースなどを拡充し、技術格差(skills gap)の問題を解消しなければならないとする。

 次いで、自動化におけるリーダーシップについても言及があった。1950年代には、“ロボットの父”と呼ばれるジョセフ・エンゲルバーガー(Joseph Engelberger)氏が、産業用ロボットの中心的な技術を開発・普及させた。しかし、米国ではこの技術を採用できず、エンゲルバーガー氏は日本企業に技術をライセンスした。

 結果、日本企業が自動化に関する市場を掌握する形になった。バーンスタイン会長は、トランプ政権がロボット化および自動化分野における、リーダーシップを取り戻す努力をすべきだと強調している。なおIFRによれば、2016年から2019年まで、全世界的に140万台の産業用ロボットが普及する見通しだ。

 バーンスタイン会長はまた、起業家精神についても言及した。起業家精神は米国の経済成長を主導してきた。中小企業庁(Small Business Administration)によると、2009年から2015年の第2四半期までの間に、400万人分の雇用が創出された。なかでも、中小企業が全雇用の67.5%を創出しているという。自動化技術は、予算と専門人材が不足する中小企業に価値を与える。それら機器は、安全かつ管理・メンテナンスが容易で、投資回収率も高い。