英国営医療サービスでAIを積極導入する動き...課題は「説明可能な枠組みとシステム」

ロボティア編集部
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英国の国民保険サービスにあたるNHS(National Health Service)が、患者へのサービスの向上とコスト削減のため人工知能(AI)研究を開始した。 AIアプリケーションを通じて患者の治療過程を改善し、2年以内には医療サービスの質疑をロボットに処理させるようにするのが目標だ。

英国保健社会福祉省(Department of Health and Social Care)によれば、AI技術はいくつかの種類のがんの早期診断支援、「誤った陽性診断」(false positives)による不必要な手術の削減、臨床試験に適した患者の選択などの用途において、すでにNHSで使用されているという。

ただ一方で、人工知能を活用するためには医療データ管理や個人情報の保護が大きな課題となっている。英国政府は、NHSの技術開発を支援しつつ、セキュアなデータベース技術を使った患者のデータ保護を促すため「AI行動規範」を定めている。以下が、その10原則となる。

- ユーザー、ユーザーのニーズと状況の把握
- 結果のために技術がどのように貢献するか定義
- 使用目的に合った、指針に従うデータの使用
- 公正かつ透明で責任あるデータ使用
- 公開された基準を活用
- 使用データおよび配布されたアルゴリズムの限界について透明性確保
- 開発または配置されるアルゴリズムのタイプ、データの使用方法についての倫理的検討
- 性能を検証する方法および医療と健康管理どのように統合するか情報を公開
- 意図した使用および価値の妥当性を証明
- 設計プロセスにセキュリティを統合
- 商業化戦略の定義

AI行動規範は2019年末に追加でアップデートされる予定である。

なお英国当局は、AIに関する倫理が今後10年間で特に重要な課題になると予想している。
また、「データの分析が正確であると確信を与えるシステム構築」も、NHSの次の課題になると専門家らの指摘が相次いでいる。

英国にとどまらず、人工知能システムが社会および研究過程で決定を下すとなれば、データに意図しない偏りがないかどうか透明性を持って確認できる枠組みが必要となる。特にヘルスケア分野は人間の生命と直結する。予期しない結果や偏向があってはならず、AIを取り入れる際には説明可能性が何よりの焦点となってきそうだ。