LINEの親会社NAVER、家庭用AIアシスタントを開発中

ロボティア編集部2016年6月29日(水曜日)

 上場を控えたLINEの親会社である韓国・NAVER(ネイバー)が、家庭用人口知能(AI)アシスタントを開発。今後、製品化する見通しだ。NAVERはこれまで、“韓国版Siri”とも呼ばれる音声認識アシスタント「NAVER LINK」や、音声対話型検索システム「ラオン(LAON)」の研究・開発に注力してきた。

 なお家庭用AIアシスタントとは、ディープラーニング技術を利用して、ユーザーが機器と会話を交わしながら情報を確認したり、家の中のさまざまな電子機器を制御することができるシステム。アマゾンが昨年に発表した「エコー(Echo)」や、グーグルの「グーグルホーム(Google Home)」が代表的だ。

 6月28日、NAVERによると同社は現在、音声認識ベースの家庭用AIアシスタントを開発中。早ければ今年末、遅くとも来年初めには公開する予定だという。NAVERの技術研究センターであるNAVERラボラトリーズのパク・チョンモク技術協力総括理事は「どのような機器に機能を取り入れるかはまだ決まっていないが、音声認識の形態になるだろう」とコメントしている。

 家庭用AIアシスタントについては、韓国国内でこれまで、NAVERの挙動に注目が集まってきた。音声認識をベースにした家庭用AIアシスタントには、言語データが必要不可欠だが、NAVERは他の世界IT大手と比較して、韓国語のデータを大量に保有しているからだ。

 ネイバーは昨年、AIとスマートカー、IoTなどを含む研究・開発プロジェクト「ブルー」を発表したのに続き、今年は同研究分野の中枢となる24個のプロジェクトチームを新設している。前出のラオンもその文脈で発表された。

 パク理事は「具体的な内容は、今年の秋に開かれる技術開発カンファレンス『デビュー』で明らかにする(中略)NAVERサービスに特化したロボットをはじめ、家庭や自動車など、いつでもどこでも利用できる各種製品も開発中」と付け加えている。

 なお、NAVERラボラトリーズは26日、米ラスベガスで開催された世界最大規模のコンピュータビジョン・パターン認識学会「コンピュータビジョンとパターン認識」の「VQA(Visual Question Answering)チャレンジ」部門に参加。2位を獲得している。