【韓国大統領選】人工知能が「誰に投票すべきか」アドバイス…投票支援ツール続々登場

ロボティア編集部2017年4月17日(月曜日)

 前代未聞の汚職疑惑で逮捕された、韓国元大統領の朴槿恵氏。2017年4月15日、「ポスト朴槿恵」を争う韓国大統領選(5月9日投開票)の候補者登録告示が始まった。前大統領の罷免による大統領選挙であるため、韓国国民の関心は大いに高まりつつある。

 政権の迷走を止めるためには、どの新大統領に投票すべきか。そんな国民の悩みを解決すべく、最近では人工知能やビッグデータを活用した選挙投票支援ツールが続々と登場しはじめている。

 例えば、モバイルメッセンジャー「カカオトーク」は、選挙ボット「ローズ」を通じてわかりやすく候補者の情報を提供するサービスに乗り出した。候補者を選ぶにあたって、各々の公約を詳しく知ることができると対比しやすい。カカオトーク上で「大統領選のボット」をともだちとして追加すると、候補別の公約、投票所の確認、リアルタイムの支持率など大統領選情報を確認することができる。

 使用方法はいたって簡単。ローズとのトークに「○○候補の福祉公約」など知りたい情報を入力すると、「父親による育児休職使用の義務化(文候補)」 や、「配偶者出産休暇を3日から30日に拡大(安候補)」など候補別の主要公約をすぐに返信してくれる。

 ローズは、ロボ・アドバイザー専門会社・ファウントの子会社「ファウントAI」によって開発されたたもので、同社独自の自然言語処理技術とマシンラーニング技術が採用されている。

 また、「ヌードプレジデント(nude president)」もユニークなサービスだ。まず、匿名で各候補の公約を並べておき、ユーザーに気に入ったものを選ぶようにする。雇用、外交、福祉、国防など、それぞれの分野において気に入った公約を選択すると「最も自身の考えに合う候補」をランキングで見せてくれる。政党に対する贔屓や偏見もなく、各候補が掲げた公約だけで投票相手を選ぶことができるというわけだ。

 さらには、候補宛にメッセージが送れるようになっており、そのメッセージがリアルタイムで反映される。表示されたメッセージの数や質に応じて、どの候補者が支持を集めているか直観的に把握することもできる仕組みだ。

ヌードプレジデントは、フィスカルノート・コリア(FiscalNote Korea)」が運営するサイト。同社カン・ユンモ韓国支社長は「短期間で大統領を選ばなければならないために、有権者たちが判断基準を見つけることに困惑しているのではと思った」、「候補者たちの公約と政策を見ながら、自身に合う候補を探す選挙になればうれしい」とメディア取材に答えている。

photo by nudepresident