カナダ・オンタリオ州政府が、航空宇宙産業の精密部品メーカーであるサイクロン・マニュファクチャリング社(Cyclone Manufacturing Inc.) の支援を決定した。助成額は519万カナダドル(約4億4600万円)。
サイクロンMFGは、ミシサガに本社を置く航空宇宙産業向けの精密部品を製造する企業で、機械加工や板金加工、チューブ・ベンディングなど溶接から最終仕上げまでを一貫して行う。納入先には、カナダのボンバルディアはじめ、米スピリット・エアロシステムズ、ボーイング、ロッキード・マーチン、欧州のエアバス他、英国トライアンフ、イスラエル航空宇宙産業、台湾のAIDC社などの主要航空機メーカーなどがある。
今回のプロジェクトで、同社は、オンタリオ州の「雇用と繁栄の基金」から支援を受けて、CNC(コンピュータ数値制御)生産能力の強化を図り、新たなプロセスラインを設置する。これにより、現在、外部に委託していた業務を内製化できることになった。
施設の増設により、新しい生産スペースは7432平米増加し、将来的にはさらなる拡張が予定されている。この投資プロジェクトは2021年秋の完成を目指しており、技術革新、コスト削減、エネルギー効率の向上および、サイクロン社の競争力を一層高めることが期待されている
「オンタリオ州の航空宇宙産業は、きわめて競争の厳しい世界の市場において、常に一歩先を行っているために、投資をし続けなければならない。今回のプロジェクトは、サイクロン社の成長路線を強化し、高い技術を要するより多くの雇用をミシサガ地域にもたらすことになる。オンタリオ州政府は、この重要な投資を歓迎します」(オンタリオ州のラッド・デュグイッド経済開発・成長省大臣)
一方、サイクロン・マニュファクチャリングのアンドリュー・ソチャイ社長は、「このプロジェクトは、わが社の発展に新しいチャプターを開くことになります。最新の生産技術、仕上げ技術に対する今回の投資によって、サイクロン社は、大切なお客様に、より素晴らしいイノベーションと多様なサービスを提供することができるようになるでしょう」と今後の見通しについて語っている。