廃炉になった原子力発電所のパイプに潜る調査ロボット「RadPiper」実用化へ...放射能レベルなど測定

ロボティア編集部
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米カーネギーメロン大学ロボット研究所のウィリアム・レッドウィッカー(William Red Whittaker)教授チームが、廃炉された不要な原発施設の放射能レベルを測定し、ウラン貯蔵庫を把握するパイプクロールリングロボット「ラッドパイパー(RadPiper)」を開発した。

原発を閉鎖するためには、施設内に残った放射能を除去し、ウラン濃縮施設を破壊しなければならない。これまでは、特殊な防護服を着たエンジニアが現場で作業を進めてきたが、それをロボットに置き換えるのが狙いだ。ラッドパイパーには、人間の安全確保だけではなく、人件費の削減および時間の節約などコストカットも期待されている。

カーネギーメロン大学は今回、米エネルギー省の資金援助を受けラッドパイパーを開発した。投入された資金は140万ドルだ。今年5月までに、米エネルギー省に2台のロボットを納入する計画だ。そして、オハイオ州パイクトンにある閉鎖されたウラン濃縮施設に投入され、放射能測定作業を実際に進める見通しとなっている。なお、パイクトンのウラン濃縮施設は、1954年から稼動し2000年に停止した。全体の面積が1万平方フィートに達し、パイプの長さは120kmとなっている。

同作業をロボットに置き換えられた場合、かなりの人件費を節約することができると期待されている。今後、ケンタッキー州パデューカ(Paducah)のウラン濃縮施設にまでロボット利用が拡大した場合、約5000万ドルのコスト削減が見込まれている。

なお、今回開発されたラッドパイパーには、カーネギーメロン大学で開発された放射線センサ、ライダー、魚眼レンズなどが採用されている。ライダーと魚眼レンズで自律的に動き、障害物を確認する。パイプ内部を調査した後は、元の位置に戻ってデータの分析とレポート作成のタスクを実行する。パイクトンのチーフサイエンティスト、ヘザー・ジョーンズ(Heather Jones)氏は、4月21日にアリゾナ州フェニックスで開催される廃棄物管理会議で、関連論文を発表する予定である。