フィンランド最大の年金保険会社であるIlmarinen Mutual Pension Insurance(以下、Ilmarinen) が、ヒューマンリソース(HR)の概念にロボットを含めるとした。
Ilmarinenの新CEOであるJouko Polonen氏は、海外メディアのインタビューに対し「HR(部門)は、新しい技術が職場の原動力をドラマチックに変化させることに責任を負わなければならない」とし、HRがヒューマンとロボットを含むものであると強調した。
Polonen氏は、単に特定のタスクを自動化する次元ではなく、新しい機能を学習・管理し、職場における仕事のやり方に変化を与えなければならないとしている。そしてそのような観点から、実際にHR部門にロボット専門家を配置。「プロセスがよりスマートな方法で処理できうるか分析している」と説明している。
Ilmarinenは約540億ドルに達する資産を管理する企業で、現在、700人程度の人員が勤務しているが、そのスタッフリストには「タルモ(Tarmo)」というロボットも含まれている。なお、Ilmarinenのスタッフは、ロボットに自分の雇用を脅かされるとは感じていないという。Polonen氏も、タルモを日常的かつ退屈な仕事をする同僚以上の存在と話す。ここでいう「退屈な仕事」とは、年金の申請書を処理するなどの業務のこと。一方で、タルモには病気や傷害などによって仕事ができない人々を再訓練するなどの複雑な業務はこなせない。
Polonen氏は、ロボットによって仕事を失うことを心配する人は、継続して学習していかなければならないと、人間側の意識改革についても強調している。