ウォルマートが、食料品のネットオーダーをピッキングするための新しいロボットシステムをテストしている。
海外メディアが報じたところによると、ウォルマートは自動化システム企業であるアラート・イノベーション(Alert Innovation)と提携。ニューハンプシャー州セイラムのウォルマート店舗用に「アルファボット」(Alphabot)を配置した。この自動化技術は、店舗に隣接する2万平方フィートの拡張区域に設置され、ドライブスルーレーン専用の食料品ピックアップポイントの役割を担う。
アルファボットは、顧客の注文を収集・運搬することでウォルマートの店舗スタッフの作業を助ける。ウォルマートは、同システムが乾燥食品、冷蔵・冷凍食品などを含め、ほとんどの食料品をピッキングすることができると説明している。
ウォルマートのオンライン食料品ピックアッププログラムは、ショッピングをする時間がないが、「シプト」(Shipt)やインスタカート(Instacart)など、高級食料品の配達サービスを利用したくない消費者のために組まれた。
アマゾンなどECサイトの脅威に直面しているウォルマートは、食料品の配達戦略の新たな試みを通じて、競争優位性を確保する方法を模索している。ウーバーやリフトとの初期配信パートナーシップが終了し、現在はポストメイツ(Postmates)、デリブ(Deliv)、ドアダッシュ(Dordash)を含む様々なパートナーと協力している。年末までに、100の市場での発送サービスを提供する計画だ。
食料品のピックアップサービス提供している店舗数は、2年前の600店舗から今年3月時点で1200店舗と2倍に増えている。2018年だけでも1000店舗増やす予定。現時点では、1800店舗にのぼる。
ピックアッププロセスがより効率的になれば、顧客がオンラインで発注する際に到着時間まで指定することができるようになる。ウォルマート側は2018年末には、アルファボットをオンラインで利用することができると説明している。ピックアップロボットが完全に稼働した状態かは定かではないが、セイラム店の買い物客は10月1日からオンラインで食料品をオーダーできる予定だ。
セイラムの店舗は、ウォルマートの新技術の実験場となっている。改修後、オンライン購入のための「ピックアップタワー(Pickup Tower)」、在庫がない商品のための「自動旋盤スキャナー」、商品をトラックに移す際に支援してくれる「ファーストアンローダー」、モバイルPOS「チェック・アウトウィズ・ミー(Check Out With Me)」などが稼働している。アルファボットは、パイロットプログラムにより成果が確認され次第、正式導入となる見通しだ。
Photo by Alert Innovation HP