ハンバーガーロボットにロボット中華シェフ...世界で進むレストランの自動化

ロボティア編集部2018年6月26日(火曜日)

飲食業にも、ロボットと人工知能の普及が進んでいる。

米スタートアップ・Creatorが開発した調理ロボットは、顧客がタブレットでオーダーするとハンバーガーをつくり始める。パンをスライスした後、ピクルスとトマト、タマネギ、チーズなどの材料を順番にのせる。次いで、メニューによって各種ソースをミリグラム単位で精密にふりかけ、最後にグリルした牛肉をのせ完成させる。それらすべてのプロセスは、ロボットに搭載されたセンサーと人工知能によってコントロールされている。

約4.3mの長さのハンバーガーロボットは、20個のCPU(中央処理装置)と、350個のセンサーで構成されている。これまで、ハンバーガーのパティを焼くロボットが開発されたケースはあったが、全工程をロボットがこなすというのは初めてとなる。

この「ハンバーガーロボット」は、米国で人気の高い手作りバーガーのパティを再現したという。噛む瞬間に肉汁があふれるジューシーな味・食べ応えが自慢だ。Creatorはまた、毎日届けられる新鮮な材料と最高級のソースを使用している。そのレベルのハンバーガーは、米国で15〜16ドルで販売されているが、Creatorは半分以下の6ドルで販売する計画である。人件費がかからないため、その分を価格として顧客に還元できるといわけだ。現地メディアは、「有名シェフが作った手作りバーガーのように味が優れているが、価格は安い」と称賛している。

同社CEO・ALEX VARDAKOSTAS氏は、ロボットが調理すると味が一定で、つくる速度も速く、何よりも人件費を削減できるのが大きな強みだとしている。なおALEX VARDAKOSTAS氏は、「イノベーティブである」という評価を受けるとともに、飲食業界の雇用を大幅に減らしてしまうのではないかという批判も受けている。本人もそのような批判を意識しており、材料管理およびレストラン管理スタッフ時給を米国平均よりも高い16ドルに設定。従業員の勤務時間の一部を自己啓発に使用するようにサポートすると発表している。Creatorの「無人ハンバーガーショップ」は、6月27日にオープンする予定だ。

一方、中国・EC大手JD(京東)は、8月からロボットレストラン・ジョイズ(JOY'S)をオープンすると6月初旬に発表した。オーダーの受付から料理・サービングまでの全過程をロボットが代替するので、人間の従業員はほとんどいない。なおJDが開発した「ロボットシェフ」は、中国の有名シェフのレシピを学習。40種類以上の中華料理を、5〜10分でつくることができる。

JDは2020年までに中国全土に1000軒のロボットレストランをオープンする計画だとしている。中国ではほかにもアリババや流通企業のヘマ(盒馬)も、ロボットがオーダー・調理・サービングの全工程を担うレストランを年内に披露する予定となっている。

韓国でもロボットレストランが登場している。新世界百貨店・忠清店では今月初め、配送ロボット「Dilly」のテスト導入を開始した。顧客がスマートフォンで注文すると、Dillyが厨房から料理を運んでくれるというサービスだ。Dillyは、韓国配達アプリ大手・優雅な兄弟たちが製作した。

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Photo by creator HP