米人気チェーンがAI搭載ハンバーガー調理ロボット開発…50台導入予定

ロボティア編集部2017年3月10日(金曜日)

 今年2月、米国・サンフランシスコのコーヒーショップ・カフェX(CaféX)で、コーヒーを淹れてくれる「バリスタロボット」の実用化が始まり、世間の注目を集めたことがあった。また韓国では、ウィスキーやカクテル用のアイスボールをつくる作業を担う、「バーテンダーロボット」が登場。こちらも世間の関心を一身に浴びはじめている。

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 そのように、ロボットがサービス業の領域に進出することが珍しくなくなってきたのだが、米国からまた新しいニュースが飛び込んできた。今回は、ファーストフード店でハンバーガーをつくるロボットが登場したというのだ。

 カリフォルニア州パサデナにあるハンバーガーショップ・カリバーガー(CaliBurger)では、「フリッピー(Flippy)」という名前のAIロボットが仕事に従事しはじめた。フリッピーは、ミソロボッティクス(Miso Robotics)と、カリバーガーチェーンを保有するカリグループが共同開発したAIロボットだ。なおハードウェアには、デンマークのコ・ロボット企業・ユニバーサルロボット社製のロボットアームが使われているように見える。

 フリッピーには、人工知能技術(マシンラーニング)や、カメラ、センサーなどが搭載されていて、店舗内にあるキッチンを改造することで設置できる。現段階では、ハンバーガーのパンやパテを適切なタイミングで裏返し、作業が完了すると、人間のシェフにトッピングを施すように伝える機能が実装されている。前述したように人工知能が搭載されているので、今後は材料の取り出し、フライドチキン、フライドポテトの調理、材料の仕上げなどを、人間と共同作業できるように訓練を受けていく計画だという。

 なおフリッピーはまだ、テスト運用中とのことだが、正常に作業ができると確認されれば、今後2年間で50台以上がカリバーガーに配置される予定になっているという。

 世界各国のいくつかのファーストフード店では、タッチパネルディスプレイが設置され、注文・決済システムが自動化されつつある。それらシステム導入の主要な目的は、人件費の削減だ。今後、調理まで代替するロボットが普及したらどうか。ファーストフードの人件費論争は、また新しい局面を迎えるかもしれない。

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