バリスタやバーテンダーも…飲食業界に押し寄せるロボット化の波

ロボティア編集部2017年2月3日(金曜日)

 サンフランシスコで、ロボットバリスタがコーヒーを淹れてくれるコーヒーショップがオープンした。サンフランシスコにある映画館「AMC METREON」にあるカフェX(CaféX)では、大きなガラスに仕切られたロボットバリスタ(ロボットアーム)を見ることができる。なお、このロボットバリスタは、三菱社製の6軸産業用ロボットアームを使用したものだという。

 来店客は、店頭にあるiPadやカフェXのアプリを利用し、好みの飲み物をオーダー。豆、牛乳、濃度をはじめ、さまざまなトッピングを詳細に決めることができる。しかも、注文から受け取りまでの時間は、1分もかからないという。

 カフェXを創業したヘンリー・フー(Henry Hu)氏によれば、ロボット導入のメリットは多いという。まず、コーヒーを淹れる時間を短縮することで、顧客の待ち時間を減らすことができる。また人間の従業員を必要としないため、価格も下げることができるそうだ。実際に、カフェXでは同じ地域のカフェの半額でコーヒーを販売している。

 コーヒーの味にこだわりのある人々からすれば、ロボットが本当においしいコーヒーを淹れられるか疑問が残るかもしれない(自動販売機と何が違うのかという疑問も…)。またロボットは会話ができないので、常連客にとっては少しもの寂しくもあるはずだ。ただ単純なタスクを正確に、繰り返し処理するという意味では、バリスタの仕事とロボットの相性はよいかもしれない。衛生面でも威力を発揮するはず。今後、どのように意見が分かれるか、注目したいイシューだ。

 カフェXはテスト運用のために最初の店を開設した段階で、次第に店舗数を増やしていく計画だそうだ。なお、韓国のクラシックバー「コーヒーバー・ケイ」には、氷を削ってアイスボールをつくるバーテンダーロボットが採用されている。今後、飲食業における労働力の代替はスタンダードになるのか。併せて注目したい。

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photo by cafeX