テクノロジーで新たな顧客体験創出を目指すワトソンズ

ロボティア編集部
ロボティア編集部
Photo by ASワトソンズ・グループHP

2018年8月、アジア最大の医薬品・美容品の小売店・ワトソンズ(屈臣氏/Watsons) を運営するASワトソンズ・グループ(ワトソンズのほか家電量販店やスーパーなども含む)の2018年上半期の業績が、親会社である香港のCKハチソンHD(長江和記実業有限公司)によって発表された。売上高は684.74億香港ドル(約9792億円)で、昨年同時期と比べ17%増となり、EBITDA(税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益)は71.04億香港ドル(約1015億円)で10%増となった。売り上げをけん引したのはドラッグストア部門(ワトソンズの医薬品・美容品)、香港では他ブランドの売り上げも回復傾向となっているという。

なかでも目を引いたのが、中国大陸での業績回復だ。18年上半期の中国での営業売上は123.53億香港ドル(約1766億円)で、昨年比16%増。EBITDAも13%増え、それぞれ2桁の成長率を見せた。

実は2015年からASワトソンズ・グループの中国大陸での業績は落ち込んでおり、2016年の営業収入は初めてマイナス成長となっていた。業績回復の要因に関し、CKハチソンのIR資料には「中国市場において柔軟なコスト構造と独占的な商品の販売代理によって20%の粗利益を維持した。そのほとんどは美容商品の売り上げである」とある。

ASワトソンズ・グループ全体の医薬品・美容品部門における会員数(日本と同様のポイントシステムを採用したもの)は約1億3000万人を突破し、18年上半期の収益のうち、62%が会員からの売り上げであったという。また、同グループが独占的に販売を行う商品の売上額が全体売上の34%を占めていることも大きい。中国大陸のワトソンズの店舗数は約3400だが、大都市での出店は一段落し、現在は地方や内陸部の中都市・小都市に出店を拡大させている。膨大な人口を持つ内陸部での新たな消費者獲得も奏功しているようだ。

■独自の決済システム、ARメイクを続々と導入

ワトソンズは1828年に中国・広東省で「屈臣氏大藥房」の名で設立されたアジア最大の医薬品・美容品の小売店(ドラッグストア・チェーン)だ。香港、中国、台湾、マカオ、シンガポール、タイ、マレーシア、フィリピン、インドネシア、ロシア、トルコ、ウクライナなどに店舗を持ち、その数は約6800店(18年上半期時点、うち中国大陸は約3400店舗)。グループ全体の従業員数は約11万7000人にもなる。ワトソンズの特徴としては、店舗ごとに専門の薬剤師、栄養士、健康アドバイザー、美容アドバイザー、母子健康アドバイザー、看護師などを抱え、顧客のニーズに細かく対応しているところだろう。