テクノロジーで新たな顧客体験創出を目指すワトソンズ

ロボティア編集部
ロボティア編集部
「Colorlab by Watsons」 Photo by ASワトソンズ・グループHP

物流改革にも注目したい。ワトソンズは1月に中国・アリババ傘下の中国の大手物流サービス・CaiNiao(菜鳥)とECモール・T-mall(天猫)とともに、即日配送サービスを開始すると発表。現在では上海、広州、深セン、杭州、東莞の5都市で注文から2時間以内に配送するサービスをすでに始めている。

CaiNiaoは2013年にアリババや銀泰集団(中国百貨店大手)、富春控股(コングロマリット)などが出資して設立され、今や1日あたり1億個の個人向け荷物を扱うまでに成長。中国全土で当日配送ネットワークの構築を目指している。中国大陸で販路拡大を進めるワトソンズにとって、短時間での配送はオンラインでの売上を大きく左右するだけに、CaiNiaoとの協業は興味深い。

一方、CaiNiao側からみれば、実はロレアルとすでに2017年から配送に関する協力関係を構築している。消費者がネットで購入したロレアルの商品がCaiNiaoの営業所に配送される仕組みで、消費者はそこで直接商品を受け取ることができるというサービスだ。先に触れたワトソンズとロレアルとの提携も、これまで両社がCaiNiaoと築いてきた物流網の“共有”も考えられる。

1億人を超える会員数を誇るワトソンズは、顧客のビッグデータを活用も始めている。ワトソンズとユニリーバは17年5月に提携を発表。ユニリーバが同ブランドを中国で販売していく上で、ワトソンズが持つビッグデータを参考に戦略的に販売していくという。ワトソンズの会員数をもとに顧客データを分析し、ブランド商品などをどこの地域で販売していくのが最適か判断していくというものだ。

まず試験的に始まったのがヘアケア商品の人気ブランド「TRESemme(トレセメ)」のプロモーションだ。ワトソンズは中国での会員30万人にトレセメの商品情報などを送り、積極的な宣伝活動を行うと同時に、有名女優を起用した同商品の宣伝活動を各地のワトソンズの店舗で行い、中国での知名度を一気に高めることに成功。今後もワトソンズは同社の持つビッグデータを活用し、海外ブランドと組んで大規模な商品・広告展開を行っていくことは間違いないだろう。ちなみにユニリーバは8月に中国EC2位でアリババのライバルであるJD.com(京東商城)と物流で提携している。

中国市場では顧客情報とIT技術を融合させたO2O(Online to Offline)やOMO (Online Merges Offline)という新しい時代に突入し、物流も無人倉庫やドローン・ロボット配送を活用しハイテク化している。ワトソンズは主戦場である中国大陸で出店を増やす一方、物流や美容ブランドとの協業を強化し、新しい時代のドラッグストアの姿をいちはやく提示しようとしている。

※本記事はBeautyTech.jp掲載の『ワトソンズ、新時代のドラッグストアへAR導入や独自決済などスマート化を急ぐ』を改題・再編集したものです。

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