美容大国・韓国で増えるセルフビューティ族...家庭用ビューティーデバイス戦国時代

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韓国で「セルフビューティ族」という新語が定着し始めている。それは、美に関する費用対効果や時間的コストをしっかりと見極める、新たな消費者層の登場を意味するものだ。美容大国で起こっている新たなトレンドを分析する。

韓国の各メディアで、「セルフビューティ族」という言葉がしきりに使われだしている。同様の意味合いで「ホームケア族」という言葉も耳にするようになった。セルフビューティ族とは、美容サロンやエステ、皮膚科クリニックなどに通ってプロのサービスを受けるのではなく、自宅でスキンケアなど美の追求にいそしむ人々を指す。

韓国でこうしたセルフビューティ族が増加している要因としては、まず一人暮らし世帯の急増が指摘されている。韓国の一人暮らし世帯は30年前に比べて10倍に増加。いまや4世帯に1世帯を占めるまでになった。大部分の人々にとって、特にソウルなど都市部での一人暮らしは経済的に簡単ではない。加えてここ数年、韓国社会は経済が停滞気味となっている。美容大国とされてきた韓国でも節約志向が芽生え、費用対効果に見合った“美のDIY”を選びとる人々が増えてきたのだ。

自宅で手軽かつ高度なスキンケアを可能にする家庭用ビューティデバイス、もしくはホームケア製品の相次ぐ登場も、セルフビューティ族の増加に拍車をかけている。というよりも、美容に関わる新しいライフスタイル、消費行動の登場に対して、狙いを定めた企業側が新製品を投入しているといったほうが正しいのだろうか。いずれにせよ、高性能な家庭用ビューティデバイスの増加とセルフビューティ文化の拡散は相関関係にある。

LG経済研究所などの調査によれば、家庭用ビューティデバイスの世界市場規模は2017年の段階で約5,000億円。今後、毎年約10%成長していくと見込まれている。韓国における市場の拡大も確実視されており、2017年に450億円ほどだった市場規模は、今年2018年には500億円を突破するだろうとの見通しが強い。現在、セルフビューティ市場というブルーオーシャンの攻略を図り、韓国ではコスメ・ビューティ機器メーカーだけでなく、家電製品に強みを持つ大手メーカーも続々と参入を開始している。

韓国で人気が高い家庭用ビューティデバイスといえば、LG社製のLEDマスク「Pra.L」の名が真っ先に挙がる。従来の製品は肌の表面のケアにとどまっていたが、同製品ではLEDが肌の内部まで刺激。皮膚の弾力を最大8倍にまで改善可能という触れ込みだ。実際、その効果についてユーザーからの評価が高く、昨年から今年にかけて大ヒット商品となった。

河鐘基

記者:河鐘基


1983年、北海道生まれ。株式会社ロボティア代表。テクノロジーメディア「ロボティア」編集長・運営責任者。著書に『ドローンの衝撃』『AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則』(扶桑社)など。自社でアジア地域を中心とした海外テック動向の調査やメディア運営、コンテンツ制作全般を請け負うかたわら、『Forbes JAPAN』 『週刊SPA!』など各種メディアにテクノロジーから社会・政治問題まで幅広く寄稿している。