美容大国・韓国で増えるセルフビューティ族...家庭用ビューティーデバイス戦国時代

アモーレパシフィックの美容機器ブランドのメイクオンも、最近、超音波で基礎化粧品の吸収をサポートする家庭用ビューティデバイス「GEM SONO THERAPY」の販売を開始した。同製品は1秒間に300万回以上振動する超音波マッサージで、スキンケア効果を高めてくれる。主にマッサージ効果や保湿、弾力・顔色改善効果が見込めるというのが同社の説明である。

また2018年9月には、ビューティ&ヘルスケア関連機器メーカーのコリアテックが、クレンジング機器「ReFa」と、9種類のスキンケア用品のセットでの発売を開始した。同社は、累計で1000万個以上売れた美顔ローラー「ReFa CARAT」(通称:イ・ヨンエマッサージローラー)の開発元として有名だが、新製品ではデバイスとスキンケア用品をセットで提供することで、セルフビューティ族の需要を積極的に満たしていく狙いだ。同社のイ・ドンヨル代表は、「童顔皮膚(子どものようなすべすべ肌の意)を望む消費者が増え、ビューティデバイスへの関心が高まっている。既存の製品と今回の新製品を合わせれば、昨年の売上約150億円を突破し、約180億円を達成できるだろう」と自信をのぞかせている。

ここに紹介した以外にも、韓国ではさまざまな家庭用ビューティデバイスが登場し、互いにしのぎを削っている。傾向として、機能はエステティックなどの専門サービスにひけをとらないほど高性能化しつつ、価格は手頃、また自宅で短時間かつ簡単操作で利用できるというコンセプトが多いようだ。今後は、コリアテックのように、ビューティデバイスと化粧品のセット販売を仕掛ける企業も増えてくるだろう。

セルフビューティ族は中国でも増加傾向にある。調査会社 Euromonitorによれば、2009年から2014年までの中国国内家庭用ビューティデバイスの販売成長率は270%を記録しており、今後も急成長が続くとの予想だ。KOTRA(大韓貿易投資振興公社)の北京担当貿易官コン・ソヒョン氏も次のように指摘している。

「(中国では)消費能力が高い若い女性を中心に、顔に塗るコスメという領域を超え、自宅で肌を直接ケアできるホームビューティがトレンドとして定着している。彼女たちは価格ではなく性能に着目し、家庭で手軽に利用できる便利な製品を好む(中略)家庭用ビューティデバイスは、医療機器の特徴に加え、消費者ニーズや流行に敏感な消費財の特徴を同時に備えており、AIおよび顔・皮膚状態のデータ化技術など、様々な新技術と合流することで、より高い性能を誇るデバイスへと進化しており、美容機器と医療機器間の境界も崩れつつある」。

河鐘基

記者:河鐘基


1983年、北海道生まれ。株式会社ロボティア代表。テクノロジーメディア「ロボティア」編集長・運営責任者。著書に『ドローンの衝撃』『AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則』(扶桑社)など。自社でアジア地域を中心とした海外テック動向の調査やメディア運営、コンテンツ制作全般を請け負うかたわら、『Forbes JAPAN』 『週刊SPA!』など各種メディアにテクノロジーから社会・政治問題まで幅広く寄稿している。