米大学がロボット学習用オープンデータベース「ロボネット」を構築

ロボティア編集部2019年11月16日(土曜日)

カリフォルニア大学バークレー校のSudeep Dasari教授の研究グループが、一種の「ロボット大学」となるであろう「ロボネット」(RoboNet)を構築しているという。

ロボネットは、各ロボットの動作1500万フレームと注釈が記録されたオープン動画データベースだ。例えば、「食卓の上のカップを動かす」という動作には無数のパターンや方法がある。その膨大なデータを公開・ダウンロードできるようすることで、誰でもロボットのニューラルネットワークを効率的に学習させるためのデータを活用できるようになる。

従来、ロボットを研究する人々は、異なる環境のなか、それぞれの異なった方法でロボットを学習させてきた。しかしそうなると、環境が変わった際にタスク処理能力が大幅に低下するという問題を抱えていた。そこでオープンデータベースを拡充・開放することで、どんな環境にあっても迅速かつ効率的にロボットの学習を実現できるようにしようというのが本プロジェクトの趣旨のひとつである。

なお、過去に人工知能の研究開発を促したファクターのひとつに、「ImageNet」の構築・開放がある。2007年、プリンストン大学の研究グループが、1400万枚の画像データベースを作成・開放したのがその起源だが、以来、世界中の研究者が参加するデータベースとなり、AI学習用ツールとして活用されている。

すでにボストンダイナミクス、リシンクロボット、ソニー、ホンダなどのロボット研究組織が、ロボネットへの協力に関心を示しているという。ロボット大学(=ロボネット)は、優秀なロボットを生みだすインフラとなるか、今後の展開に期待がかかる。

Photo by robonet.wiki