進化するロボットの「目」…農産物の包装作業に”革命”

photo by softrobotics HP

 米マサチューセッツ州ケンブリッジに拠点を構えるソフトロボティクス(Soft Robotics)が、新しいビジョンシステムを開発。農産物の包装工場などを対象に、本格的な営業に乗り出している。

 ウェブメディア「The Packer」によると、ソフトロボティクスは、包装を行うロボットの機能を向上させるためのビジョンシステム・スーパーピック(SuperPick)をリリースした。スーパーピックは、従来のビジョンシステムの弱点を補完したとして注目を浴びている。

 従来のビジョンシステムは、2Dカメラであれ、3Dカメラであれ機能的な限界が存在した。まず2Dカメラを使ったシステムの場合、個々の対象を明確に識別するためにコンベアベルトと一緒に使用する必要があった。一方、3Dカメラが搭載されたシステムは値段が高価。その上、画像処理のスピードが遅くなるという欠点がある。

 これに対しスーパーピックは、2Dカメラシステム用のハードウェアを利用しつつ、そこに人間の目の認知能力を組み合わせることで、3Dレベルの高度な認識を提供することが可能となった。

「ふたつの袋の中にそれぞれトマトが入っているとしましょう。人間はトマトがどちらの袋に入っているか容易に把握することができます。しかし、コンピュータビジョンシステムには難しい。(そこで)人間の作業者が画面を通じたリモート操作で、ロボットが把握できない状況を助けるようにしました」(ソフトロボティクス社事業開発理事ダン・ハーバーグ氏)

 ソフトロボティクスの説明によれば、スーパーピックを使用すればひとりの作業者が3台のロボットを監督することができるようになるという。また数年以内にマシンラーニングが実装される予定で、そうなればさらに大規模なロボットグループを監督することができるとも。

 なおリモートコントロールで包装が可能になれば、工場に人間が行く必要がなくなる。つまり、寒さや暑さに耐えなければならない仕事という、従来のイメージから脱却することもできるわけだ。ハーバーグ氏はまた、スーパーピックのメリットのひとつとして、設置作業の簡易さを強調する。これまでのように、大規模なコンベアシステムなどを構築する必要がないそうだ。