アメリカの州・都市別「ロボット密度」公開...一番多かった街は?

ロボティア編集部2017年9月5日(火曜日)

 米国の都市の中で、産業用ロボットが最も多く設置されているのは、自動車産業のメッカ・デトロイトだ。同地域には、溶接、塗装、組立などの用途で、約1万5000台の産業用ロボットが工場に投入されている。

 米研究機関「ブルッキングス研究所(Brookings Institute)」は今回、国際ロボット連盟(IFR)の資料をベースに、米全体の州・都市のロボット台数・密度を調査した。都市ごとの細かい数値が分かれば、人間の労働者とロボットの代替による社会不安発生リスクを分析する際に使用できる。その調査結果によれば、2015年現在、米国全土的に23万3305台の産業用ロボットが設置・稼働しているということが明らかになった。

 州ごとの導入実態を見ると、産業用ロボットの半数以上が集中している地域がある。中西部および南部地域の州だ。ミシガン州には、全体の12%に達する2万8000台のロボットが設置されおり、オハイオ州(2万400台、8.7%)、インディアナ州(1万9400台、8.3%)が後に続いている。一方、西部地域は全体で13%にとどまった。

 都市別のロボットの導入状況をみるとデトロイトが最も多いと前述したが、労働者1000人当たりのロボット台数(ロボット密度)では、オハイオ州・トレドが9.0台で最も多い数値となった。デトロイトは、労働者1000人当たりの台数が8.5台だ。続いて、グランドラピッズ(1000人当たり6.3台)、ルイビル(5.1台)、ナッシュビル(4.8台)となっている。なおこれらの都市では、2000年から2015年にかけて、ロボットの導入が大幅に増加したことも指摘された。

 なお、さらに人口が小さな「町単位」まで分析した結果、労働者1000人当たりのロボット台数が最も多かったのはインディアナ州エルクハート・ゴーシェン(35.9台)だった。

 政治的性向とロボット導入台数にも関連があることが分かった。大統領選挙で共和党トランプ候補を支持した「レッドステート(red state)」は、民主党のクリントン候補を支持した「ブルーステート(blue state)」より、ロボット密度が高い。レッドステートは2.5台であるのに対し、ブルーステートは1.1台だった。

 ブルッキングス研究所側は、レッドステートとブルーステートのロボット密度の差が、大統領選挙の最終結果を決定したわけではないと説明している。しかしながら、ロボット密度が高いレッドステート地域を中心に、ロボット導入に対する不安感が高まる可能性があると指摘した。加えて、ロボット密度が高い中西部の労働者は、ロボットの追加導入に敏感ではないかと予測している。

Photo by Brookings Institute