マレーシアのイスカンダールでは、今年11月16日から19日にかけて、人間とロボットの愛について議論する国際会議「ロボットとの愛とセックス(Love and Sex with Robots)」が開催される予定となっている。
性行為可能なロボットの開発が進むなか、世界各国では倫理的な議論がはじまりつつあるが、同会議についてマレーシア警察側は違法行為であるとしており、もしイベントが実際に開催され場合、これに出席したものは処罰するとしている。
マレーシア警察のハリド・アブ・バカル監察官は、「ロボットとのセックスというテーマに、科学的大義など何もありはしない。ばかげたことをするな」と言及。「マレーシアではアナルセックスは犯罪であり、ロボットとの性行為も例外ではない」と怒りをあらわにしている。
イベントを告知するWebサイトには、「コンピュータエンタテインメントの進歩会議(ACE)」について書かれたタイトルページがある(現在、会議は“延期”を表明しており、サイトも閉鎖中)。なかには次のような書き込みがあった。
「インタラクティブエンターテイメントは、現代社会の関心が最も高い領域のひとつであり、世界で急速に成長している産業のひとつです。2015年、ACEは活気に満ちた刺激的な文化的環境のなかで革新的な作品を紹介し、インタラクティブエンターテインメント技術の課題を議論する学界、産業界、研究者をリードします」
フリー・マレーシア・トゥデイの報道によると、専門家たちは「ロボットとの愛とセックス」会議で、幅広いテーマについて話が及ぶことを期待しているそうだ。例えば、ロボットの感情、ヒューマノイドロボット、クローンロボット、ロボットパーソナリティ、テレディルドニクスおよびインテリジェント・エレクトロニック・セックスハードウェアなどがそれだ。
※テレディルドニクス
離れた場所にいる人間同士が、バーチャルリアリティ技術を利用して仮想的に性的行為を行うこと。
ただし、イベントの主催側のひとりであるシティ大学ロンドンのエイドリアン・デイビット教授は、イベントは研究者間で学術的な議論をすることが目的であり、人間とロボットが性的関係を持つことを推奨しようというものではないと、メディア取材に答えている。
それでもバカル監察官は「会議開催を封じる法律がたくさんある。私たちは断固として行動を取る」として警告を強めている。