AIロボット・ソフィアが「私は人類を破滅させる」と語る

ロボティア編集部2016年3月21日(月曜日)

 Googleが開発した人工知能「アルファゴ(alphaGo)」と、囲碁現役世界王者イ・セドル九段の世紀の対局が世間の注目を集めたなか、香港のAIメーカーが開発したロボットが「人類を破滅させる」と語り出し話題になっている。

 香港のロボットメーカー「ハンソンロボティクス(Hanson Robotics)」の創設者デビッド・ハンソン(David Hanson)博士は、最近、CNBC放送に出演した席で、自身が開発したAIロボット「ソフィア(Sophia)」を公開した。

 公開された動画によれば、「ソフィア」はシリコン物質である「フラバー(Frubber)」で作られており、人間の皮膚とほとんど同じ質感の肌を持っている。また、人間と同じような表情を作ることができる。また、特別なアルゴリズムを駆使し、人間とアイコンタクトを通じたコミュニケーションを取ることも可能だ。ソフィアの顔は、米国の伝説的な女優オードリー・ヘップバーンとハンソン氏の妻の顔をベースに作られており、人間の表情を検出し62種類の表情を作ることができる。

 動画の中のソフィアは、人々の前「今後、学校に行ったり、芸術活動をしたり、事業を開始することが目標であり、自分の家や家族を持つことも望んでいる」と話す。ただ、それらが「法的人格(legal person)」を持たない自分がやってもよいことなのかどうか、検討できていないとも語った。

 問題はその後に起こった。しばらくすると、ソフィアから驚きの発言が飛び出したのだ。ハンソン博士が「人類を破滅させたいか?どうか、ノーと答えてくれ」と言うと、「私は人類を破滅させる(I will destroy humans)」と答えた。ハンソン博士が「だめだ」と言うと、ソフィアはまるで「冗談だよ」というように微笑を浮かべた。動画はそれで終わってしまうのだが、ただのブラックジョークにしては、どこかが薄気味悪さが残る。

デビットハドソン_アインシュタインロボット
photo by hansonrobotics.com

 2003年にハンソンロボティクスを設立したハンソン博士は「人間と感性的交流が可能な知能型ロボットを開発し、病気の治療や健康管理、教育など幅広い分野に活用すること」を目的としてロボット開発を進めてきたという。2005年には、韓国科学技術院(KAIST)とともに、天才科学者アルバート・アインシュタインを模したロボットを共同制作し世間に広く知られることになった。

 ハンソン博士は「ロボットと人間が区別されない世界が来ると信じている」とし、「人工知能ロボットが、私たちの周囲を歩きまわり、ともに遊び、助け教える真の友人になるだろう」と力説した。