”世界にネット環境を”、ソーラードローンプロジェクトが始動!?

ロボティア編集部2016年6月13日(月曜日)

 インターネット基地局の役割を担うドローンを空中に浮かべ、世界をインターネットに“接続”しようというプロジェクトが動き出そうとしている。

 12日、米飛行機メーカー・ルミナティーエアロスペース(Luminati Aerospace)は、米ニューヨーク州南東部の島・ロングアイランドにある、ノースロップグラマン(Northrop Grumman)社の軍用機製作工場で、ソーラー飛行機「VO-サブストゥラタ(VO-Substrata)」のテスト飛行に成功した。機体はパイロットを乗せたまま約20分間にわたり安定して飛行した後、無事に滑走路に着陸した。

 VO-サブストゥラタは、太陽光パネルを搭載した翼幅43フィート(約13m)の軽飛行機で、テスト飛行では操縦士が登場した。ただルミナティーは今後、無人ドローンを開発・発売する予定であるという。

 構想ではソーラードローンが6万フィート(18㎞)上空を、太陽光を利用しながら着陸せずに半永久的に飛行。インターネット基地局の役割を担うというものだ。目標としては、インターネットが普及していない発展途上国など40億人の人々に対し、ドローンを利用したサービスを提供するものだという。なお、早ければ今年末からドローンの生産が可能であると、ルミナティー社は言及している。

 同社ダニエル・プレストン(Daniel Preston)CEOは、以前に設立したアテイアエアロスペース(Atair Aerospace)社で、2001年から2008年までに1200個以上の特許を確保。インターネット基地局を活用するための研究開発を進めてきた。今後の去就が注目される。

 ちなみに、Facebookは昨年、無人航空機によるインターネットサービス「アクイラ(Aquila)」計画を発表した。またグーグルも昨年、ソーラードローンでインターネット網を広げるプロジェクト「タイタン(Titan)」を公開している。加えて米国では先頃、ネバダ州が中国ドローンメーカー・イーハンに、ひとり乗り用ドローンの飛行テスト許可を出した。斜め上の発展を続けるドローン。今後も世界では驚きのプロジェクトが続きそうだ。