facebookのネットインフラ・ドローン「アクイラ」が試験飛行

ロボティア編集部2016年7月22日(金曜日)

 Facebookが開発中の、世界にインターネット通信網を提供するためのドローン「アクイラ(Aquila)」が、最初のテスト飛行に成功したと報じられた。

 ラテン語で鷲を意味するアクイラは、インターネットが普及していない発展途上国上空を飛行し、インターネットの接続信号を伝えるために開発されているドローンだ。翼幅は42mとなり、飛行後には2万m上空で3ヶ月間浮いていられるようコンセプトが組まれている。電力供給は、翼部分に設置された太陽光発電パネルを通じて行われる。

 Facebook側は自社のブログで、モバイルブロードバンドネットワークを利用できない地域に住む人口が、約16億人にいると指摘。アクイラ計画を通じて、その地域に住む人々にインターネットインフラを提供することを強調してきた。

 最初のテスト飛行は、低高度で96分間行われた。これは、当初の実験計画の3倍の時間を超えるものであり、予想よりも豊富なデータを収集することができたと同社は説明している。なお、アクイラが着陸する直前に、構造破壊(structural failure)が発生したとも明らかにしたが、詳細については説明されなかった。

ドローン_アクイラ_facebook2
photo by facebook

 今回のテスト飛行は、マーク・ザッカーバーグCEOなどが見守るなか、6月28日に、米アリゾナ州ユマで行われた。Facebookは今回のテスト飛行で、自律飛行とモーター、バッテリー、無線、地上基地局、ディスプレイ、空気力学的要素、構造の安全性、人材育成など、さまざまな項目に関するデータを収集したとした。なお、今後もテスト飛行を続け、データを収集。実際に配置されるであろう過酷な環境でも、安定してオペレーションが可能となるよう開発を進めて行く予定だ。

 Facebookは一昨年、英国に本社を置くドローン製作会社「アセンタ(Ascenta)」を買収。人材を獲得した後、米国航空宇宙局(NASA)出身のスタッフと合流させ「コネクティビティラボ(Connectivity Lab)」を設置した。同ラボチームは、発展途上国におけるインターネット普及をミッションとする非営利団体「インターネットドットオルグ(internet.org)」傘下で活動している。