ニューヨーク州立大学の研究チームが、ドローンとマシンラーニングを活用して地雷を簡単に検出できる技術を開発した。今回開発された技術は、金属探知機で発見することが難しいソ連製のバタフライ地雷を簡単に検出することができるという。
研究チームによれば、現在、世界の紛争地域を中心に少なくとも1億個の地雷など爆発物が埋設されているという。戦争終結後も地雷は地中に残存しており、人々の命を日々危険にさらしている。
特にソ連製のバタフライ地雷「PFM-1」は、金属材料の使用が可能な限り控えられているため、一般的な金属探知機では発見することが難しい。しかも、とても小さな力を加えただけで爆発するため、遊んでいる子供たちが被害を被ることも多い。アフガニスタンでは、バタフライ地雷が大量に埋設されていることが知られている。ニューヨーク州立大学の研究チームは、バタフライ地雷のような爆発しやすい地雷が世界中で何百万個も地中に埋められていると分析している。
研究チームは、これまで低価格の商業ドローンに赤外線カメラを搭載し、地雷の位置を正確に見つけることができる技術を開発してきた。さらに今回は、ニューラルネットワーク技術の一種であるコンボリューションニューラルネットワーク(CNN)を活用。遠距離から地雷を発見・分類できる技術を開発した。Alek Nikulin教授は、今回開発された技術が地雷除去分野で「ゲームチェンジャーになりうる」と説明している。
研究チームによれば、CNNを活用した地雷探知技術は、無人偵察機が撮影した映像に基づいて人間が分析する従来の手法に比べてはるかに速く、精度も高いと指摘している。今回の研究内容は、専門ジャーナル「リモートセンシング」に、「Applying Deep Learning to Automate UAV-Based Detection of Scatterable Landmines」という題名で掲載されている。今後、地雷だけでなくさまざまな爆発物を検出する用途で用できるよう、さらなる研究が進められる予定だ。
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