ロボット&仮想現実を取り入れたリハビリ市場が米国で成長の兆し

ロボティア編集部2016年7月6日(水曜日)

 理学療法などリハビリテーション分野では、IT技術、ロボット、仮想現実(VR)、ゲームなどの産業と連携強化が進んでいる。今回、その市場規模の成長率が大きいと期待される、米国のリハビリテーション市場を分析した報告書が発表された。

 発表したのはシリコンバレー事情に精通した大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の担当者で、タイトルは「リハビリ理学療法の新しいモメンタム、ゲームとの融合」。報告書では特に、「軽症患者」を対象としたサービス分野の需要が大きいと示唆している。

「米国のリハビリテーション・理学療法の市場は、今後5年間、3.6%の年間成長率を示すと予測されているが、これは2010〜2015年に比べると二倍以上の成長率に該当する(中略)重症リハビリ患者の場合、専門セラピストが一対一の訓練を通じて体系的に管理・監督しているが、(一方で)軽症リハビリ患者は病院に備えられているリハビリ器具を利用して一人で訓練をしている。(中略)そのため、軽症の患者は訓練の精度が落ちているという問題点があり、これを把握し、その市場を攻略するのが効果的」(報告書内より抜粋)

 報告書はまた、リハビリ理学療法分野において、仮想現実、ロボット活用の傾向が増加していると強調した。というのも、患者が増えるペースに比べ、病院やセラピストが不足しており、その隔たりを埋めるために、ゲーム機器を活用する事例が世界各国で発表されているという。

「特に仮想現実システムを利用した集中トレーニングが、脳卒中のような脳を損傷した患者のリハビリに採用されている例が、医療現場で著しく現れている(中略)バーチャルリアリティシステムおよびそのガイドライン開発、訓練コンテンツ開発、それらを実装するソフトウェアなどの事業で、活発な動きがみてとれる」(報告書内より抜粋)

 報告書はまた「このような変化は、医師、看護師、理学療法士を代替し、高齢化に伴う医療費増加を抑える効果が期待されている」とした。