「仮想触覚」搭載のスマート手袋...VRとも連携しドローン操作や医療分野で活用へ

ロボティア編集部2017年4月20日(木曜日)

「スマート手袋」というものをご存知だろうか。センサーやデジタル通信などIoT技術が駆使された注目の製品群だ。組み込まれたセンサーやデジタル技術を使って、着用者の手や指の動きを感知しさまざまなタスクを可能とするのだが、一例ではマウスやキーボードに代わりうるウェアラブル機器としても注目を浴びている。

 また最近では、「仮想感触」機能などが導入されていて、VR(仮想現実)と連動することで、着用者が実際にものに触ったかのような感触を生み出すことができるとされる。メキシコ企業・vivoxieが展開する「パワークロー(PowerClaw)」には、親指、人差し指、中指部分に熱さや冷たさを伝えるチューブが内蔵されていて、VRヘッドセットとともに着用すれば、VRコンテンツの中のものに触れた感触まで感じることができる仕組みだ。

 一方、米「ジェスト」社が開発したスマート手袋は、指輪のように指に差し込んで使用するタイプのもの。個別の指輪ごとに各指の動きを認識するセンサーが搭載されていて、コンテンツ内の対象を手で触るとその感触を直に感じることができる。用途としては、ドローンの操作なども想定されている。

 スマート手袋は今後、医療・リハビリ分野において活用の幅が拡大すると見られている。例えば、手話の自動認識・翻訳、点字判読・生成、リハビリ時の動作支援、生体信号および運動情報を測定し健康状態を診断するなどの用途だ。

 スマート手袋関連の特許出願は増加傾向にある。韓国ではスマート手袋関連の特許出願件数が2012年から2016年まで年平均17.8件となった。これは以前の年平均4.6件(2007年~2011年)に比べて約4倍だ。VR関連機器やドローン制御装置、医療用機器としてまず注目されているスマート手袋の可能性は、今後も拡大していきそうだ。

photo by vivoxie