高齢化社会を迎えている韓国・厚生労働省のデータによると、国内65歳以上のうち1割を占める高齢者が認知症を患い、認知症患者の急速な増加による予防・治療・リハビリの費用が圧倒的に増えていく見通しであるという。 韓国政府は、個人の疾病を越えた国家的問題として認知症問題に着手。全国252の全ての保健所に、認知症ケアセンターを設置して治療・リハビリ・予防など国家的支援を行っていくことを明らかにした。
このような社会的背景のなか、大手ヒューマングループは約10年間にわたりシニア運動機器を研究し、モーションセンサーを利用したVR(仮想現実)認知リハビリシステムである「ティオン(Tion)」を開発。5月8日に販売開始するとした。ヒューマングループは湖南大学と協力し、慢性期脳卒中患者や65歳以上の認知症患者を対象に同システムの使い易さを評価・検証してきた。
ティオンは14通りの視知覚を使う日常訓練ゲームで構成されていて、知的刺激を通じて認知能力の回復や、日常生活に必要な問題解決能力を増進させる。また認知症予防だけでなく脳損傷・脳疾患のある患者の行動能力・理解能力回復にも効果がある。すでに米国をはじめとする世界各地においても、VR認知治療の効果が大きいという研究結果が出ており、一般的認知機能の回復に好影響を与えるていくだろうと期待されている。
ヒューマングループは今後、全国の高齢者福祉センターや認知症ケアセンターに「室内ゲートボール」「モーションゲーム」「シニア向けVRライド」などを供給していく計画である。同社関係者は「認知症という重くて否定的イメージを脱却・改善し、多様なVR認知訓練と運動コンテンツを通じ、認知症予防・治療を楽しくできることを知らせたい。(中略)VRによるリハビリ効果を高め、認知症患者の日常生活への復帰に貢献したい」とコメントしている。
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