韓国通信大手・SKテレコムは12月4日、ドローンレースVR体験など、第5世代移動通信(5G)サービス3つを、韓国国内ベンチャー企業と共同開発することにしたと発表した。
今回、SKテレコムがベンチャー企業とともに開発するとしたのは、SKテレコムとゲーム開発メーカー・ユニティーコリアが主催した「5G実感メディア&融合サービス公募展」で選定されたアイデア。なお、ドローンVR体験は、ベンチャー企業・エルロイズ(elrois)が提案した事業となる。ドローンで撮影された飛行映像と3次元グラフィックスを合成し、ユーザーが実際に航空機を操縦しているかのような体験を与えるVRゲームというのが、そのアイデアの中心内容となる。
その他にも「VRコンテンツベースの感情分析」というアイデアも採用された。頭にかぶるVR機器がユーザーの脳波を測定し、人間がどのような感情を抱いているか、どのような状況に関心があるのかなどの情報を5G通じて送るというものだ。人々の感性・認知データを迅速に集めることがで、配信広告のカスタマイズや、効率の高い教育コンテンツを開発するのに役立てるのが狙いだ。こちらのアイデアを出したのは、ベンチャー企業・ルックシード・ラボ(Looxid Labs)だ。
一方、「3Dスマートスタジアム」というアイデアは、レッドバードが発案した。これは、スタジアム来場者にモバイル機器を通じて、競技場の緊急時避難路など位置情報を立体的に提供する拡張現実(AR)サービスとなる。
SKテレコムと各ベンチャーは、来年上半期にサービスプロトタイプの開発を終え、本格的な商用化を進めていく予定である。SKテレコム側は、自社で抱える人材を投入し、参加ベンチャーに技術的なコンサルティングを行う。また計測器・端末などの機器も提供する。
なお、2020年に商用化が予定されている5Gは、現在の第4世代移動通信(LTE)よりデータ転送速度が200倍以上速い。大量のデータを非常に簡単に送受信することができ、バーチャルリアリティ(VR)会議など、さまざまなサービスを実現する上で期待を集めている。
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