うつ病や恐怖症に仮想現実(VR)を治療に応用する研究が進む

うつ病や恐怖症に仮想現実(VR)を治療に応用する研究が進む

Posted date:2016.05.07

うつ病_バーチャルリアリティー_2
photo by pixelkin.org

 VR(バーチャルリアリティ=仮想現実)を利用して精神疾患を治療しようという臨床試験が進められている。英・ロンドン大学など世界主要大学の研究チームが、同技術を活用し、うつ病、恐怖症(phobias)など、様々な疾患の治療を試みている。

 まず研究者たちが注目しているのは、認知行動療法(cognitive behavioural therapy)へのバーチャルリアリティーの応用だ。通称CBTとも呼ばれるこの治療法は、患者の非合理な思考を変えるために、一連の説得と論争を通じて具体的な行動課題を与え、誤った視点と解釈を修正していくというものだ。

 これまで医療スタッフたちは、CBTを通じて恐怖症患者が過去に経験した状況を認知させた後、医師との相談し、演劇や絵を描く方法などを駆使して、患者自ら状況を克服できる方法を模索してきた。

 心理治療において、過去の状況を正確に再現することは決して簡単ではない。それにも増して難しいのは、患者が恐怖と“再会”する過程で余計に恐怖心が増し、治療が逆効果になるケースが少なくないということだ。その問題を、バーチャルリアリティーで解決しようというのが、ロンドン大学研究チームの研究目標となる。

 例えば、とある患者が男性に対して恐怖心をいだいているとしよう。その場合、患者はまずバーチャルリアリティーのなかに入り、恐怖心を抱いた時点に戻って、遠い距離から男性を見る。医師は、患者とその時のフィーリングについて相談。患者が恐怖心を徐々に克服していくように手伝い、仮想現実のなかで男性との距離を縮めていくように誘う。最終的に患者が許容する範囲で男性の数を増やしていくことで、慢性的な恐怖症を治すことができるというのが研究チームの説明だ。なお、この治療法は専門用語で「仮想現実治療(Virtual Reality Therapy)」と命名されている。

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参照
dailymail
huffingtonpost.com
sciencetimes