AIで激変する音楽業界…新人発掘や作曲までこなす!?

 音楽企業のAI活用は、おすすめ機能だけにとどまらない。音楽業界のAI活用は、徐々に拡大していく見込みである。レコード会社は、消費者とコミュニケーションするメッセンジャープログラムであるチャットボットを活用して、新しいアルバムの販売促進を開始している。すでにロビー・ウィリアムズ(Robbie Williams)などの有名歌手が、オンラインストアでの購入を促進するため、ファンの質問に答えるチャットボットサービスを導入している。

 AIは、新しいアーティストの発掘にも活用されている。イギリスのレーベル「インストトルゥーメンタルメンタル(Instrumental)は、YouTubeのデータを分析し、新人発掘に利用しているという。

 なおAIは、作曲もてがけはじめている。GoogleのアートAI開発事業「マゼンタ」プロジェクトからは、機械学習(マシンラーニング)で生み出された80秒のピアノ曲が発表されている。また、イギリスのスタートアップ・ジュークデック(Jukedeck)も、人工知能を使って50万曲のオリジナル音楽をつくった。これは、使用料を支払うことよりも、新しく新鮮な曲を希望する企業、および動画制作会社を狙ったビジネスだ。

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 AIは今後、人間より早く、優れた音楽を作るためのツールとして普及していくのだろうか。一方では、人工知能が創作やアートという分野まで進出してきた場合、人間の活動に支障をきたすのではという議論もある。

 その点について、ジュークデックのエド・レックス(Ed Rex)共同創設者は、「AIは人間の作曲家を殺さないだろう(中略)より多くの音楽家が、AIアルゴリズムを使用して作曲作業を向上させる」とコメントしている。

 人工知能が創作物をつくった場合、著作権の問題も浮上してくる。現在、世界各国の著作権法は、人間以外のものがつくったものを著作物として想定していないことがほとんどだ。いずれにせよ、人工知能が本格的に普及しはじめれば、音楽業界にさらに大きな変化が訪れることだけは間違いなさそうだ。今後の動きにも注目したい。