人工知能によるニュース配信は”悪”か...韓国で議論はじまる

ロボティア編集部
ロボティア編集部

 韓国では現在、大手ポータルサイトがAIを使ったニュース配信を強化し続けることについて、賛否両論がある。批判のひとつには「便利なニュースサービスという名分だが、本質的には広告収入増大のための施策に過ぎず、社会・政治的責任が回避されてしまう可能性がある」というものがある。つまり「人ではなく、AIがニュースを配信する役割を担うのであれば、ポータル側が記事の内容を批判されたり、問われることをうやむやにできる」という指摘だ。

 一部の専門家たちは、人工知能によるニュース配信が中長期的に隆盛をきわめることで、ジャーナリズムが過度に商業化し、その役割が弱体化するとも懸念している。また家電製品にAIを導入することと、ニュースにAIを導入することは、社会的な意味において本質的に異なるのだが、IT企業がそのような使い方の差を考慮しているかどうかも、いささか疑問だという声もある。

 韓国言論振興財団のキム・ウィグン上級研究員は、「記事を推薦するためには利用者のログ情報が必要(中略)その情報を使用すれば、政治的性向なども確認することができてしまう」と意見を話している。加えて、「IT企業側は、利用者がAIの記事推薦を受けない方法を積極的に知らせるべきだし、システムがどのように機能するか明らかにすることを検討する必要がある。(中略)利用者がニュース編集に参加する機会を与えるという選択肢もある」と、今後、採用されるべき施策について指摘した。

 この手の話題は、広義の意味で「ジャーナリズムとAI」の関連性の問題と言うことができる。今後、人間はニュースをどう発見し、消費していくことになるのか。韓国だけではなく、世界中のIT企業の動きを注視すべきかもしれない。