「AK-47」などで有名なロシアの銃器メーカー・カラシニコフが、「自律型ロボット兵器」とも言うべき自動銃発射システムを公開した。同システムではAIが目標を定め、発射までの工程を自動的に行う。
カラシニコフ社のパーソナルライフル担当Sofiya Ivanova氏は、TASS通信社のインタビューに応え、「近い将来、ニューラルネットワークシステムをベースにした商品を公開する(中略)2017年に軍が開催したとあるフォーラムで発表された同技術は、完全に自動化された戦闘モジュール」と説明している。
関連報道でも、同兵器はニューラルネットワーク技術に基づいた「全自動戦闘モジュール」であり、自動的にターゲットを識別し、意思決定まで行うことができるとされている。画像情報から状況を常に分析し、敵の環境の変化に応じて発射を自ら行うという。使用される弾薬は25mmだ。
カラシニコフのAK-47は、1947年につくられ、1949年から使用が始まった100カ国以上の軍隊が保有する「世界最大数を誇る小銃」だ。普及台数は1.5億〜2億台に達すると推定されており、対象とされた死傷者の数も多い。ヨーロッパでは、同ライフルで命を失った人の数が1000万人を超えたとされている。
現在、世界各国の企業家・学者などからは、AIを搭載した自律兵器の危険性を指摘する声が日ごとに高まっている。今年8月には、物理学者スティーブン・ホーキング博士を含むAIおよびロボットの専門家110人余りが、「キラーロボット兵器の開発を禁止する国際規範を作るべき」という内容の書簡を国連に送っている。世界一の小銃がAIの力を借りてさらなる進化を遂げるのか、それに反対する人間の声が勝るか。今後、国際的な議論や葛藤はさらに高まっていきそうだ。
Photo by Russia's Kalashnikov Group