家で家事をこなしていたロボットが、忽然と姿を消す。心配し途方に暮れる家の住人たち。数時間後、警察から一本の電話が。
「あなたの家のソーシャルロボットを無事保護しました。引き取りに来て下さい」
ほっと安堵した家族は警察署へ。警察に事情を聞かれ説明すると、奥から保護されたロボットがひょっこりと顔をのぞかせる。ロボットは、お使いに行こうとした矢先に何かしらのトラブルを抱え、迷子になっていたそうで、みかねた警察が保護したそうだ。
「メンテナンスに問題があるようですね。罰金の支払い証にサインしてください。今後、このようなことがないように」
ロボット保護者法に違反してしまったユーザーはしぶしぶサイン。
(今度、メンテナンスに連れて行って、買い物プログラムをアップデートしよう。といよりも、外に行く時は許可を確認するモードに切り替えるか。でも、そうしたらいちいち面倒だしな...)
ユーザーはそう頭の中で悔い改めながら、ロボットと一緒に手を繋ぎ帰途につく――。
これは、筆者が勝手に想像をふくらませて書いた妄想だが、そんな近未来を予期させるような出来事が起こった。
14日、ロシアで実験中だったソーシャルロボットが脱走。交通渋滞を起こしたとして話題になっている。ロシア・ペルミに拠点を構えるベンチャー企業が、顧客応対ロボット「プロモボット(Promobot)」をテストしていた。ドアをロックし忘れたままテストに集中していた開発者たちは、しばらくしてプロモボットがいないことに気付く。慌てて探し始めると、近くの道路で交通渋滞を引き起こしていたのが発見された。
現場にはすでに、異変に気づいた警察が出動。人々は路上にロボットが現れるという不思議な光景に足を止めた。結局ロボットは、バッテリーが切れ路上でストップ。40分後に開発チームの元に戻ってきたという。
写真を見る限り、今回は大事にいたらなかったようだが、もし人口密集地や交通量が多い場所に迷い込んでいたら...少しひやっとさせられた事件だが、今後のソーシャルロボットあり方を考える上で重要な事件のひとつとなりそうだ。