中国・越境EC物流の「ロボット倉庫」開設...作業効率は人間の4倍

ロボティア編集部2018年1月21日(日曜日)

中国で、越境EC取引の物流作業にロボットを投入するという倉庫が登場した。海外のショッピング市場などに少なくない影響を与えると予想されている。

北京経済技術開発区は先日、北京・イーズアン保税物流センターの近況を報告。同センターが、ロボットを導入した「北京国際電子商取引スマート1号ロボット倉庫」の運営を開始したとした。これは、中国の越境EC関連の物流倉庫としては初めてとなる。

同倉庫は、越境EC取引上の物流業務を処理。北京地域に展開する関連企業の物流サービスを担ってきた。今後、北京市民がインターネットで購入した輸入品は、このロボットが管理する倉庫を通じて一部発送されることになる。

これまで中国人がインターネットで購入した商品は、注文を終えた後に海外の運送会社の倉庫に運ばれ、再び中国に出荷されていた。そのため、中国の消費者が商品を受けとるまでの時間が長くなり、物流コストも高くなっていた。しかし、イーズアン保税物流センターのような倉庫がより効率化することにより、コストや時間を削減できると期待されている。

ロボット倉庫を設立したイーズアン保税物流センターによると、同倉庫は1万㎡規模のスペースのなかで、税関業務および国家検査業務などを行い、X線検査設備や分類設備などを備えているという。また今後、ロボットによる自動倉庫管理、自動ピッキング、自動集出荷、自動検査などが行われる予定で、物流業務の処理量が増えていく見通しだという。

既存の倉庫と比べたとき、ピッキング効率は1.8〜2.5倍高くなり、ロボットが毎日8時間ずつ1万件の注文を処理できると仮定すると、人間のスタッフが処理する量の4倍に達するという。加えてロボットを導入することで、保管スペースも従来の27%も効率的に使用することができる試算となっている。

今回、倉庫内で使用されるロボットは中国企業が開発したもので、北京経済技術開発区内に拠点を構えるウォーターロックテクノロジー(Water Rock Technology)社などが技術提供を行っている。採用されるロボットは、分散型のオフラインコントロール方式を採用しており、大量の物量をしながら障害物を避けることもできるとされている。