サムスンがAI専門家・ラリー・ヘック博士を招聘…グーグルやマイクロソフトで開発を牽引

ロボティア編集部2018年1月22日(月曜日)

サムスン電子が人工知能(AI)の専門家であるラリー・ヘック(Larry Heck)博士を役員研究員として迎え入れた。

1月19日、サムスン電子は、ヘック博士が昨年末にサムスンリサーチアメリカ(SRA)の専務級役員の席に着いたと明かした。ヘック博士は、2014年から2017年までGoogleの研究責任者を務め、グーグルアシスタントなどAI関連技術の開発に関与してきた人物だ。自然言語処理、音声認識などに精通した専門家として知られ、2009年から2014年までは、マイクロソフトに勤務しながら、AI音声認識プラットフォーム「コルタナ(Cortana)」の開発も牽引してきた。

現在、世界の主要IT企業は、AIベースのプラットフォーム開発競争に拍車をかけている。AI専門人材を確保するために熾烈な競争が水面下で繰り広げられているなか、サムスン電子がヘック教授を迎え入れた形だ。

ヘック博士は16日から二日間、米シリコンバレーで開催されたAIサミットのイベントで基調講演を行い「人工知能とマシンラーニングは主流となっている(中略)サムスンの人工知能プラットフォームが拡張性だけでなく、脈絡と行動への深い理解を備え、より有効に活用できるようにする」と述べている。

イベントには、サムスン電子のソン・ヨングォンCSOも参加し、サムスンで進めているAI技術開発の方向性や主な戦略について説明した。ソンCSOは基調講演で「AIとマシンラーニングは、サムスンの主要な戦略的課題。数年以内に、この技術は人とすべての機器が相互作用する方法を完全に変えるかもしれない(中略)そのためには、AIが開かれていなければならない」とした。

サムスン電子は、AI関連の研究組織を拡大し関連研究を続けていく方針。今年、カナダ、イギリス、ロシアなどにAI研究所を追加で設立する計画だと伝えられている。