サムスン「人工知能」投資を加速...英AI企業・グラフコアに大型投資

ロボティア編集部2016年11月9日(水曜日)

 サムスン電子が、英国の人工知能スタートアップ・グラフコア(Graphcore)に投資したことが分かった。

 11月1日、関連業界関係者によると、米シリコンバレーにあるサムスン戦略イノベーションセンター(SSIC)は、自動車部品メーカー・ボッシュなどとコンソーシアムを組み、人工知能チップを開発するスタートアップ・グラフコアに3000万ドル(34億円)を投資したという。

 投資にはC4ベンチャーズ、ドレイパー・エスプリ(Draper Esprit)など多数のベンチャーキャピタルが参加した。サムスンが最も大きい規模で資金を投資したが、その正確な投資額は伝えられていない。

 グラフコアは、インテリジェント処理装置(IPU)と呼ばれる技術を開発するスタートアップだ。IPUは、マシンラーニングシステムよりも速い速度で人工知能を導入する基盤技術。人工知能を導入する電子機器の消費電力および時間などを減らして、効率を高めることができ、自然言語処理、自律走行車、医療分野などで活用可能とされる。グラフコアは2017年にIPUを商用化する計画だ。

 サムスン電子SSICのソン・ヨングォン社長は、メディアのインタビューに対し「グラフコアは、NVIDIAに相対できるほどの実力のある企業(中略)(グラフコアと協業で)コンピュータのアーキテクチャを今後より速くすることができる」とコメントした。

 サムスン電子は最近、AIスタートアップに積極的な投資を続けている。米人工知能スタートアップ・ヴィヴ(VIV)の買収に続き、IBMワトソン研究所長出身のキム・ミンギョン常務を家電部門クラウドソリューションラボ長としても迎え入れている。直近では、来年上半期にリリースするスマートフォン「ギャラクシーS8」に、人工知能(AI)技術を搭載することも明らかにしている。

【関連記事】>>>サムスン「ギャラクシーS8」搭載予定のAIアシスタント・Bixbyとは
【関連記事】>>>サムスンがAIプラットフォーム企業VIV Labs買収…競争力強化へ

photo by Graphcore