米・ワシントン大学とアレンAI研究所が、犬のように反応する人工知能(AI)を開発中だ。研究チームは、論文サイト「arXiv」でシステムを紹介。研究過程と今後の課題について言及した。
今回の研究では、本物の犬に多数のセンサーを取り付けデータを採取。そのデータをディープラーニングで解析し、今後の行動を予測するシステムを構築した。研究チームは、犬が公園などの環境で行動できるようにし、GoProカメラやマイク、慣性センサー、アルデュイーノユニットを取り付けデータを収集・処理。与えられた環境で犬がどう行動するかシステムに予測させたり、犬の動きを模倣するようにした。
研究チームはまた、犬の動きが収録された約25000パターンのビデオ動画を収集。その中の約20000個を使用し、人工知能を学習させた。結果、システムが予想以上にうまく作動したと説明している。
同システムはまだ開発途中であるため、aiboのような犬ロボットに搭載されている訳ではない。ただ将来的には、犬の体を模したハードウェアと同AIシステムが融合し、本物の犬のようなロボットが誕生したとしても不思議ではない。現在、ボストンダイナミクスなどロボットメーカーが高機能な犬型ロボットを開発しているが、警備を担当する「番犬型ロボット」が生まれてくることだって充分にありえるはずである。
なお同研究成果は、今夏に開催される「CVPR2018」(Conference on Computer Vision and Pattern Recognition)で発表される予定だ。
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