デンマークの銀行大手・(Nordea Bank)が、ロボアドバイザー「ノラ」(Nora)を導入する。海外各紙が詳細を報じた。
ノラはまず、預金に関するアドバイスを求める50万人の顧客のうち、4%にあたる2万人の顧客に投資顧問サービスを提供することになる。ノルデア銀行は、その数を2〜3年以内に約200万人にまで増やす計画だと明かしている。
ノルデア銀行の資産管理部門で共同責任者を務めるKatja Bergqvist氏は、「新しいことを始めると規模を拡大するのには時間がかかるのが常だが、ノラは6週間ごとに資本と顧客の数を2倍に増やしている」と顧客の反応が上々である旨を語っている。なお、ノラの顧客のほとんどは“ミレニアム世代”だが、50〜60代の女性にも人気があるそうだ。
スカンディナヴィア地域の金融市場においては、これまで大手銀行が担ってきたビジネス領域を狙い、新たに進出してくるフィンテック企業が増えている。それらに対抗するため、大手銀行は住宅ローンからの投資顧問にいたるまで、多くの分野でデジタル戦略に莫大な資金を注ぎ込んでいる状況がある。
市場の競争が過熱する中、いくつかの銀行は自動化されたサービスが法律に適合しないケースを経験し困惑してもいる。デンマーク最大の融資機関ダンスケバンク(Danske Bank)は最近、ロボアドバイザー「ジューン」(June)が、投資家保護のルールに準拠しているかどうかを確認できず規制当局から制裁を受けた。
Bergqvist氏はダンスケバンクのケースを研究しつつ、その結果をノラに適用し、6月中にデンマーク市場でノラをリリースする計画だとしている。ノルデア銀行はすでに、スウェーデンの顧客にロボアドバイザーサービスを提供しており、フィンランドでもサービスを開始した。夏には、ノルウェーでも運用開始する計画を持っている。
ノルデア銀行は、デジタルウェルズ(Digital Wealth)という新しい組織も設立した。Bergqvist氏は、自社がデジタル開発に注力することを明言し、そこにフィンテック企業との連携やパートナーシップも含まれるとしている。一方、同銀CEO・Casper von Koskull氏は、自動化に拍車をかけ約6000人の雇用を削減するデジタルプロジェクトの開始を宣言してもいる。
Photo by Nordea Bank HP